アンデスってスゴイんデス!?「古代アンデス文明展」@国立科学博物館 その1 [博物館]
さて、ようやく「古代アンデス文明展」へ。
日本館のコイン返却式ロッカーへ荷物を預け、そのまま本館を抜けて地球館の特別展入場口へ直接向かいます。
新しく購入したリピーターズパスを見せ、特別展料金(1600円)から常設展料金(620円)を差し引いた980円を払って地下へ。
余談ですが、国立科学博物館(かはく)には「リピーターズパス(1年1030円)」の他に「友の会(1年4110円、2年7200円)」というのがあります。
リピーターズパスは常設展は期間内無料。特別展の時は先述の通り、特別展料金から常設展料金620円を差し引いた差額で見る事が出来ますが(しかも回数無制限)、友の会会員の場合は特別展の時は各1回だけ無料で観覧することができます。
ただし今回の古代アンデス文明展は「友の会会員特典の特別展無料対象にはなっていない」ため、友の会会員であっても1600円払ってみなくてはいけません。
でもリピーターズパス割引対象にはなっているので、リピーターズパス会員であればいつも通り割引料金で見られる、って訳で。
友の会会員は他にも色々な特典がありますが、私みたいに大体特別展は各1回しか見に行かないライトユーザーはリピーターズパスで十分お得なのです。
今回は時間も押していたのでガイドは借りなかったのですが、音声ガイドではなくスマホかタブレットタイプのマルチメディアガイドだったようです。
いざ会場内へ。
写真多めなので続きは ↓ から。
入口では可愛い土製のリャマ像君がお出迎え
高さ70cmとなかなかの大きさです。
ワリ文化(紀元650年頃~1000年頃)が栄えていた頃に作られたリャマ君だそう。
今までもかはくではシカンやナスカ、インカ帝国などアンデスで発展してきた文明の特別展を開催してきましたが、今回の特別展はその全ての文明を紹介する集大成的な特別展になっています。
会場内のレイアウトもいつもとは少し違ってこんな感じ。
年代別に古い順から展示室が別れており、入口も3カ所別れています(中でも展示室は繋がっているんですが)。
入口中心に建っているのは「テーヨのオベリスク(レプリカ)」
チャビン文化(紀元前900年頃~前500年頃)
会場内マップはこんな感じになっています。
毎度の如く第二会場はほとんどおまけ要素なので、第一会場メインで見て行きます。
コトシュ遺跡「交差した手の神殿」の奥の壁面を飾っていたレリーフ(レプリカ)
先土器期後期(ミト期/紀元前2500年~1800年頃)
このレリーフがあったことから「交差した手の神殿」という通称で呼ばれる事になった神殿が1960年に発掘された時、古代アンデス文明はチャビン文化(紀元前1300年~前500年頃)を起点にして発達したと思われていたので、それより更に古い時代の文明がと当時はセンセーショナルな大発見となったそうです。
しかもコトシュ遺跡は古い時代の遺跡の上に新しい建物を積み重ねる様にして作られたものだったで、発掘を進める度に更に古い時代の遺跡が発見される、と言った具合で、結局チャビン文化の前に少なくとも3つの文明期があることが発見されたんだとか。
また「先土器期」とありますが、交差した手の神殿が作られたとされる紀元前2500年頃は土器が作られ始める以前の話で、実際発掘現場でも土器は1つも発掘されていないのだそうです。
土器を作り始める前から石造りで9m四方の神殿を作っていたアンデス文明…凄いΣ(・ω・/)/
「自身の首を切る人物の象形鐙(あぶみ)型土器」
クピスニケ文化形成期中期(紀元前1200年~前800年頃)
いきなり物騒なモチーフの土器∑(゚Д゚|||)ヒイィィィ!!
首があり得ない角度に曲がってしまっています。手にはナイフの様な物を持ち、切った首からは血管や神経の様なものが見えている…
造形はユルい感じなのに、実に恐ろしいモチーフです。
一番謎なのは、アンデス文明の特徴として青銅期時代に武器的な青銅器はほとんど作られず、鉄器も存在しなかった筈なのに、首をすっぱり何で切ったのだろうか、ということ(黒曜石…とか??)
反面こんな可愛い土器もあったりします。
「ネズミ型象形鐙型土器」
クピスニケ文化形成後期(紀元前800年~前500年頃)
「アシカをかたどった鐙型単注口土器」モチェ文化
…ア、アシカ??(;´∀`)
紀元前1800年頃から土器が作られる様になりますが、アンデス文明では車輪というものが存在しなかったので轆轤(ろくろ)というものも存在せず、手捻りで作られた土器しかありません。
鐙型(あぶみがた)というのは馬の鞍に付ける鐙に似た形状の口部分をした土器ということから付けられた名称の様ですが、当時のアンデスに鐙が存在していた訳ではないので、家畜として利用していたリャマに乗る時も
こんな乗り方をしていたようです(笑)
「リャマの背に乗る男をかたどった土器」モチェ文化
動物にまたがる形で騎乗したモチーフの土器は発見されていないそうなので、乗り手はこんな風に腹這いでしがみつくか、お尻側に顔を向けて腹這いに覆い被さるカッコで騎乗していたと考えられているそうです(;´∀`)
「ウミガメをかたどった鐙型注口土器」前期モチェ文化
モチェ文化は紀元200年頃~750/800年頃に渡り発達した文化で、独特のユニークなデザインからこの文化のファンは多いんだとか。
斯く言う私もモチェ文化好きで、今回もモチェ中心に写真撮りまくってきました。
ユルいかと思うとこんな写実的なデザインの土器もあったりするモチェ文化、侮れません(笑)
「金地に象嵌された人面形の装飾品」モチェ文化
胸飾りのパーツの1つではないかと推測されている装飾品。実物は5cmほどの小さい物です。
「2柱の主神が描かれた鐙型注口土器」モチェ文化
手前側に描かれているのは昼の神。
土器全体にはこのような絵が描かれています。
夜の神が人間の血を昼の神に捧げる事で太陽が昇って来ると信じられていたモチェの宇宙観が描かれています。
生け贄の人間の首を切ろうとしている猫頭の人(神?)が描かれていますが、古代アンデス文明ではジャガーやヘビなどを神格化したモチーフがよく用いられていた様です。
「裸の男性の背中にネコ科動物がおぶさった鐙型注口土器」
モチェ文化
一見可愛らしく見えるこの土器も、神の使いであるオセロット(?)が生け贄を襲っているかのように見えるモチーフ(((( ;゚Д゚)))
笑っている様な男性の顔は正面から見ると恐怖で顔が引きつっている様にも見えます。
「人間型のシカの坐像をかたどった鐙型注口土器」
モチェ文化
鹿男あをによし…(;´∀`)
「死んだ男性と生きている女性の性行為を描写した鐙型注口土器」
モチェ文化
モチェ文化は死も生の一段階として考えていたため、このような死者と生者が一緒となった謎モチーフの作品が。
「擬人化したネコ科動物(レプリカ)」
モチェ文化(古シパン王墓)
猫というよりは猿の様にも見えるこの作品。頭上にはシカン時代まで使われた「双頭の蛇」をデザインした冠(?)が乗せられています。
「ネコ科動物の毛皮を模した儀式用ケープ」後期モチェ文化
「ネコ科動物の足を象りめっきを施した爪を付けた土製品」
モチェ文化
ケープは上の弧になっている部分に首を通して使用したと思われている儀式用。
爪はモチェ遺跡の「月の神殿(ワカ)」で発掘された物だそうですが、何の用途で使われていた物なのでしょうか。
月の神殿では生け贄になったと思われる遺骨が少なくとも61人分見つかっている、と話を聞くと思わず怖い想像をしてしまいます…
ちょっと長くなったのでその2へ分けます。
日本館のコイン返却式ロッカーへ荷物を預け、そのまま本館を抜けて地球館の特別展入場口へ直接向かいます。
新しく購入したリピーターズパスを見せ、特別展料金(1600円)から常設展料金(620円)を差し引いた980円を払って地下へ。
余談ですが、国立科学博物館(かはく)には「リピーターズパス(1年1030円)」の他に「友の会(1年4110円、2年7200円)」というのがあります。
リピーターズパスは常設展は期間内無料。特別展の時は先述の通り、特別展料金から常設展料金620円を差し引いた差額で見る事が出来ますが(しかも回数無制限)、友の会会員の場合は特別展の時は各1回だけ無料で観覧することができます。
ただし今回の古代アンデス文明展は「友の会会員特典の特別展無料対象にはなっていない」ため、友の会会員であっても1600円払ってみなくてはいけません。
でもリピーターズパス割引対象にはなっているので、リピーターズパス会員であればいつも通り割引料金で見られる、って訳で。
友の会会員は他にも色々な特典がありますが、私みたいに大体特別展は各1回しか見に行かないライトユーザーはリピーターズパスで十分お得なのです。
今回は時間も押していたのでガイドは借りなかったのですが、音声ガイドではなくスマホかタブレットタイプのマルチメディアガイドだったようです。
会場にて借りられるマルチメディアガイドです。マチュピチュのドローン映像はかなりの絶景!角からすみまで見られますよーっ!#マチュピチュ pic.twitter.com/GBfOtNG4tX
— 【公式】古代アンデス文明展 (@andes2017_2019) 2017年10月21日
いざ会場内へ。
写真多めなので続きは ↓ から。
入口では可愛い土製のリャマ像君がお出迎え
高さ70cmとなかなかの大きさです。
ワリ文化(紀元650年頃~1000年頃)が栄えていた頃に作られたリャマ君だそう。
今までもかはくではシカンやナスカ、インカ帝国などアンデスで発展してきた文明の特別展を開催してきましたが、今回の特別展はその全ての文明を紹介する集大成的な特別展になっています。
会場内のレイアウトもいつもとは少し違ってこんな感じ。
年代別に古い順から展示室が別れており、入口も3カ所別れています(中でも展示室は繋がっているんですが)。
入口中心に建っているのは「テーヨのオベリスク(レプリカ)」
チャビン文化(紀元前900年頃~前500年頃)
会場内マップはこんな感じになっています。
毎度の如く第二会場はほとんどおまけ要素なので、第一会場メインで見て行きます。
コトシュ遺跡「交差した手の神殿」の奥の壁面を飾っていたレリーフ(レプリカ)
先土器期後期(ミト期/紀元前2500年~1800年頃)
このレリーフがあったことから「交差した手の神殿」という通称で呼ばれる事になった神殿が1960年に発掘された時、古代アンデス文明はチャビン文化(紀元前1300年~前500年頃)を起点にして発達したと思われていたので、それより更に古い時代の文明がと当時はセンセーショナルな大発見となったそうです。
しかもコトシュ遺跡は古い時代の遺跡の上に新しい建物を積み重ねる様にして作られたものだったで、発掘を進める度に更に古い時代の遺跡が発見される、と言った具合で、結局チャビン文化の前に少なくとも3つの文明期があることが発見されたんだとか。
また「先土器期」とありますが、交差した手の神殿が作られたとされる紀元前2500年頃は土器が作られ始める以前の話で、実際発掘現場でも土器は1つも発掘されていないのだそうです。
土器を作り始める前から石造りで9m四方の神殿を作っていたアンデス文明…凄いΣ(・ω・/)/
「自身の首を切る人物の象形鐙(あぶみ)型土器」
クピスニケ文化形成期中期(紀元前1200年~前800年頃)
いきなり物騒なモチーフの土器∑(゚Д゚|||)ヒイィィィ!!
首があり得ない角度に曲がってしまっています。手にはナイフの様な物を持ち、切った首からは血管や神経の様なものが見えている…
造形はユルい感じなのに、実に恐ろしいモチーフです。
一番謎なのは、アンデス文明の特徴として青銅期時代に武器的な青銅器はほとんど作られず、鉄器も存在しなかった筈なのに、首をすっぱり何で切ったのだろうか、ということ(黒曜石…とか??)
反面こんな可愛い土器もあったりします。
「ネズミ型象形鐙型土器」
クピスニケ文化形成後期(紀元前800年~前500年頃)
「アシカをかたどった鐙型単注口土器」モチェ文化
…ア、アシカ??(;´∀`)
紀元前1800年頃から土器が作られる様になりますが、アンデス文明では車輪というものが存在しなかったので轆轤(ろくろ)というものも存在せず、手捻りで作られた土器しかありません。
鐙型(あぶみがた)というのは馬の鞍に付ける鐙に似た形状の口部分をした土器ということから付けられた名称の様ですが、当時のアンデスに鐙が存在していた訳ではないので、家畜として利用していたリャマに乗る時も
こんな乗り方をしていたようです(笑)
「リャマの背に乗る男をかたどった土器」モチェ文化
動物にまたがる形で騎乗したモチーフの土器は発見されていないそうなので、乗り手はこんな風に腹這いでしがみつくか、お尻側に顔を向けて腹這いに覆い被さるカッコで騎乗していたと考えられているそうです(;´∀`)
「ウミガメをかたどった鐙型注口土器」前期モチェ文化
モチェ文化は紀元200年頃~750/800年頃に渡り発達した文化で、独特のユニークなデザインからこの文化のファンは多いんだとか。
斯く言う私もモチェ文化好きで、今回もモチェ中心に写真撮りまくってきました。
ユルいかと思うとこんな写実的なデザインの土器もあったりするモチェ文化、侮れません(笑)
「金地に象嵌された人面形の装飾品」モチェ文化
胸飾りのパーツの1つではないかと推測されている装飾品。実物は5cmほどの小さい物です。
「2柱の主神が描かれた鐙型注口土器」モチェ文化
手前側に描かれているのは昼の神。
土器全体にはこのような絵が描かれています。
夜の神が人間の血を昼の神に捧げる事で太陽が昇って来ると信じられていたモチェの宇宙観が描かれています。
生け贄の人間の首を切ろうとしている猫頭の人(神?)が描かれていますが、古代アンデス文明ではジャガーやヘビなどを神格化したモチーフがよく用いられていた様です。
「裸の男性の背中にネコ科動物がおぶさった鐙型注口土器」
モチェ文化
一見可愛らしく見えるこの土器も、神の使いであるオセロット(?)が生け贄を襲っているかのように見えるモチーフ(((( ;゚Д゚)))
笑っている様な男性の顔は正面から見ると恐怖で顔が引きつっている様にも見えます。
「人間型のシカの坐像をかたどった鐙型注口土器」
モチェ文化
鹿男あをによし…(;´∀`)
「死んだ男性と生きている女性の性行為を描写した鐙型注口土器」
モチェ文化
モチェ文化は死も生の一段階として考えていたため、このような死者と生者が一緒となった謎モチーフの作品が。
「擬人化したネコ科動物(レプリカ)」
モチェ文化(古シパン王墓)
猫というよりは猿の様にも見えるこの作品。頭上にはシカン時代まで使われた「双頭の蛇」をデザインした冠(?)が乗せられています。
「ネコ科動物の毛皮を模した儀式用ケープ」後期モチェ文化
「ネコ科動物の足を象りめっきを施した爪を付けた土製品」
モチェ文化
ケープは上の弧になっている部分に首を通して使用したと思われている儀式用。
爪はモチェ遺跡の「月の神殿(ワカ)」で発掘された物だそうですが、何の用途で使われていた物なのでしょうか。
月の神殿では生け贄になったと思われる遺骨が少なくとも61人分見つかっている、と話を聞くと思わず怖い想像をしてしまいます…
ちょっと長くなったのでその2へ分けます。
日々すり減っていく脳細胞の代わりに記録しておく備忘録的なお出掛けetc日記
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