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《泉》だけじゃなかった!【マルセル・デュシャンと日本美術】展 [博物館]

今週は12月なのに季節外れの暑さが到来(>_<)ノ[あせあせ(飛び散る汗)]
都心は夏日とまではいかなかったようですが、それでも12月に23.4℃はなかなか無いことです。
本来ならそろそろ霜も降りる時期だと言うのに、まだヒートテック着込まなくても全く大丈夫な暖かさ。
もっとも明日頃から本来の寒さに戻ると言う事で、急激な温度変化に体調が着いて来れるかどうかって感じです(;´Д`)


さて昨日は東京国立博物館で明日まで開催中の「マルセル・デュシャンと日本美術」を駆け込みで見てきました。

今の時期は「週末仕事帰りにトーハク」コースだと、到着する頃にはもう真っ暗なので
トーハク1.JPG
ライトアップが映えて綺麗です。
トーハク2.JPG

メガロフォビア(巨大物恐怖症)のN先輩はイヤがりそうですけれどね(;´∀`)


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あと1枚残っている特別展チケットを期間中に使ってしまわねば、ということでやってきたのですが、どうしても 便器 デュシャン作品が見たい訳でもないし「快慶・定慶のみほとけ」展をもう一回見てもいいかも、とも思っていました。
トーハク3.JPG

でも後半部分は日本美術関連の展示もあるみたいだし、ここは日本美術系を見ると割り切って 便器 デュシャンにするか(*´ω`*)
トーハク4.JPG


折角なのでオーディオガイドを借りようかと思ったのですが、スマホにアプリをダウンロードして聞くタイプでした[たらーっ(汗)]
しまった、今回はイヤフォン持って来損ねちゃってる(>_<)[あせあせ(飛び散る汗)]

…ま、ガイドはいっか ┐('д')┌


そして会場内に入ると、何と作品の撮影がOKということに気付きました(一部は撮影不可ですが)
しまった、今回はミラーレス持って来てないよ…[exclamation×2]

…ま、スマホはロッカー預けずに持って来たから、スマホでいっか ┐('д')┌


という訳でデュシャン。
デュシャン1.JPG
自転車の車輪を椅子に載っけた作品「自転車の車輪」がまずお出迎え。
既存の品を組み合わせて作られた「レディメイド」という作品の内の1つです。
1913年に作られたオリジナル(とは言えデュシャンはこれをレディメイド作品として作った訳ではなく、何となく組み合わせてアトリエに置いていたものの様ですが)は紛失し、これは1964年に作られたレプリカだそう。


この後もよく判らないオブジェ的なレディメイド作品が続くんだろうな、と先に進むと
デュシャン2.JPG
まともな風景画だーーΣ(・ω・/)/ デュシャンって絵も描いていたんですね。
この絵画はデュシャンが住んでいたフランス・ブランヴィルにあった家の庭と教会を描いた15才の時の作品です。

1907年頃まではパリの新聞や雑誌などに挿絵画家として働く集団に属していて、その時に描かれたスケッチ作品もありました。
デュシャン4.JPG


父親を描いた作品「芸術家の父親の肖像」1910年
デュシャン3.JPG
初期の油彩画作品は印象派的な感じなんですね。もともとマルセル・デュシャンは画家を目指していたようです。

で、印象派っぽい油彩画からいきなりキュビズム作品にΣ(・ω・/)/
デュシャン5.JPG
1911年に描かれた「チェス・プレイヤーの肖像」という作品は、まだ「あぁ、確かに2人のチェスプレイヤーがいるね」と判るのですが


「階段を降りる裸体No.2」1912年  に至っては…(;´∀`)
デュシャン6.JPG
デュシャン8.JPG
説明読んでも何処が階段降りる裸体の人なのか判らん…[exclamation×2](;´∀`)[あせあせ(飛び散る汗)]
デュシャン7.JPG
(自宅で撮影した作品をもう一度よーーっく見てようやく判りましたが[たらーっ(汗)]


何でもこの作品。パリで毎年開催される展覧会「サロン・デ・ザンデ・パンダン」に出品するため描かれた作品なのですが、キュビストのグループメンバーと紆余曲折あって結局パリでは出品を取り下げた曰く付き。
翌年1913年にニューヨークで開催されたアーモリー・ショー(ヨーロッパ現代美術の最初の大規模な展覧会)に出品し、良くも悪くも評判となり、デュシャンが活動の拠点をフランスではなくアメリカに移す足がかりとなった作品となったのでした。


「ギュスターヴ・カンデルの母親の肖像」1911-1912年
デュシャン9.JPG
パリ在住時代の友人の母親を描いた作品。

「花嫁」1912年
デュシャン10.JPG
キュビストのグループを抜け、ドイツのミュンヘンに滞在中描かれた作品。
何処ら辺が花嫁なのかさっぱり判らない上に、説明読んでみると
「人体の臓器を繊細な色調で描くという、空想的で不自然な演出が施されている」
…ぞ、臓器??(;´∀`) ますます判らん[たらーっ(汗)]


しかし油彩画だけで生計を立てる事は難しいと悟ったのか、デュシャンは1912年10月(25才)以降は油彩画を描く事を辞め、芸術家に転身します。

とは言え、全く描かなかった訳ではないようで、1913年には「チョコレート摩砕器No.1」を描いているのですが
デュシャン11.JPG

翌年の1914年に描かれた「チョコレート摩砕器No.2」では
デュシャン12.JPG
裁縫用の糸を直接キャンバスに縫い付けて描くという独特な手法に。


そしてこのチョコレート摩砕器らしき機械と、キュビズムの花嫁が描かれた大作
「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」
デュシャン13.JPG
デュシャン14.JPG
デュシャン15.JPG
通称「大ガラス」と呼ばれているこの作品はデュシャンが1915~1923年まで手掛けたものの、結局未完で終わっている作品だそうです。

オリジナル作品は1926年にブルックリン美術館に展示された後、移動中にヒビが入ってしまい、デュシャン自身が修復を施したものがフィラデルフィア美術館に展示されています。

これはヒビが入る前の「大ガラス」を撮影した唯一の写真
デュシャン16.JPG
今回トーハクに展示されているのは1980年に複製された「東京版」と呼ばれるもので、普段は東京大学駒場博物館に設置されています。


そして有名な便器「泉」
デュシャン17.JPG
これもオリジナルは紛失しており、幾つかあるレプリカの1つですね。
この作品も素材となっているのが既製品の小便器なだけに、デュシャンの代表作である一方、実は手掛けたのはデュシャンではない説もあり、謎な作品です。


レディメイドな作品だけではなく、映像作品の展示もありました。
「アネミック・シネマ」1926年

鑑賞者は回る同心円内の図形の凹凸を、書かれた言葉に結びつけられた画像として見る様に仕組まれた作品、なのだそうですが、そもそも円盤状にフランス語で何が書かれているのか読めないから、単なる回るぐるぐる画像にしか…(;´∀`)

 (※)Wikiの「アネミック・シネマ」に訳が載っていました(*´ω`*) が、書かれてある意味が判別しても訳解らん事に変わりなく(苦笑)



アネミック・シネマの10年後に制作されたロトレリーフ(光学円盤)
デュシャン18.JPG
これもぐーるぐる(*´ω`*)



そして最後の方にはデュシャンの遺作となった「1.水の落下、2.照明用ガス、が与えられたとせよ」のパーツの原型が展示されていました。
デュシャン19.JPG

オリジナルはフィラデルフィア美術館に収蔵されているため、会場では映像でどの様な作品か説明されていましたが、こればっかりは説明するよりも一見に如かず。



なんか、もうね、意図が分からない作品も多々ありましたが、ここまでデュシャンワールドに染まってしまうと、もう「デュシャン、よくわかんなかったけれど、すごーーいヽ(・∀・)ノ[ぴかぴか(新しい)]」な感じになっていて、第2部の日本美術がすっかり蛇足に思えた程でした[たらーっ(汗)]

何故、そこで日本美術持って来たし、と思いつつも、そもそも全部デュシャンだったら私「快慶・定慶のみほとけ」2回目に行っていたかもですし、そこはまぁ結果オーライだったということにしておきましょう(;´∀`)



ところでミュージアムショップに「大報恩寺展・限定商品 セクシー大根焚きポーチ」なるものが新しく出ていて、一瞬買おうか悩んでしまいました(;´∀`)
前回「快慶・定慶のみほとけ」見に来た時は無かったのですよね。結局買いませんでしたが[たらーっ(汗)]

でもデュシャンの「泉」キーホルダーとかあったら買ったかもしれない(苦笑)



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middrinn

作品の撮影OKなのは反オリジナル至上主義のデュシャンの展覧会だからですかね(^_^;)
最後の遺作ですけど、内部の写真複製は15年間禁じられてた点では反デュシャン的な作品
と芸術新潮2005年2月号の特集「謎の男マルセル・デュシャン」にあって、デュシャン、
ホント面白い人だなぁ、と(^_^;) 御紹介の動画を拝見して思い出したのが『澁澤龍彦
夢の博物館』(美術出版社,1988)所収の東野芳明「澁澤龍彦と美術~ロビンソン夫人の
輪舞は悪循環」という一文(^_^;) そこにバタイユの『眼球譚』の英訳本の表紙も載って
まして、デュシャンの1946~47年の「照明用ガスと落下する水、が与えられたとせよ」
という作品が表紙に使われていて、その作品が遺作とそっくりとの指摘に納得( ̄◇ ̄;)
by middrinn (2018-12-09 15:22) 

そらそら

何点か撮影不可な作品もあったのですが、OKとNGの線引きは何だったのか…(・ω・*)?
遺作は写真複製15年禁止だったんですか。
もうデュシャンは新たな作品を出さないだろうと世間的に思われていた晩年にこそっと秘密裏に制作を進め、死後に初めてその存在を公開されたそうですから、写真複製云々は寄贈されたフィラデルフィア美術館の意向もあったのかもしれませんが。
で、件の遺作とそっくりの作品ですけれど「照明用ガスと落下する水、が与えられたとせよ 澁澤龍彦」でやほーの画像検索かけてみたら、木製のドアの節穴からではなく、壊れた煉瓦の穴から覗ける様になっている遺作そっくりの写真画像を見つけたのですが、それの事なんでしょうかねぇ??
画像元のサイトを読んでみようと思ったら「この接続ではプライバシーが保護されません」と出て来たので見ていないんですが。
by そらそら (2018-12-09 18:29) 

middrinn

そんな恐いの検索できません(^_^;) 「Bataille story of the eye」で
画像検索すると上記追悼本に載ってたのが一つ二つヒットしました(^^)
by middrinn (2018-12-09 18:55) 

そらそら

「Bataille story of the eye」で画像検索かけた方がよっぽど怖グロォォォ━━━━━(屮゚Д゚)屮━━━━━!!!!!!
by そらそら (2018-12-10 22:19) 

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