竹内栖鳳展−コレクションを中心に− [美術館]
先日歯医者で根幹治療後にやたら痛むと思っていた左下顎。
やはり頬の筋肉に直接麻酔薬を注入されたせいだったらしく、後日外から見てもハッキリ判る位内出血を起こしていました(;´Д`)(今はだいぶマシになりましたが、まだ少し内出血跡が残っています)
担当した歯科医の卒業先がM大学と記載されていたのですが、やたら歯科医に通い詰めた過去を持ち、良い歯科医に詳しい後輩Sちゃんの情報によると、そのM大学卒業の歯科は一番通っちゃあかんと…
ネットの口コミ評判だけは良いところなのですが、実際に良いかどうかは通ってみないと充てにならないですよね(;´Д`)
根幹治療済みな奥歯だけはどうしようもないので、しばらくは通いますが、1本治療終わったら他の歯科医を探すことにします。でもSちゃん推しの大学卒業した医者が開業している個人歯科は近所になかなか無いんだよなぁ
年末に出掛けたMOA美術館「竹内栖鳳展−コレクションを中心に−」
時期も時期なので、空いているんじゃないかと密かに期待して行ったのですが、案外混んでおりましたですよ。
続きは ↓ から
竹内栖鳳(たけうちせいほう)は四条派の画家「幸野楳嶺(こうのばいれい)」に師事し、門下生にも上村松園や橋本関雪、小野竹喬、土田麦僊など現在でも名の知れた近代日本画家を多く世に送り出した京都画壇の重鎮です。
動物をモチーフにした作品を描くことが多く「動物を描かせればその匂いまで描く」と言われた程。
因みに4年半前に初めてMOA美術館へ来た時も特別展「近代日本画の華 竹内栖鳳展」が見たかったから、だったりします。
その前の年の2013年に東京国立近代美術館で「竹内栖鳳展 近代日本画の巨人」が開催され、後期期間に出品される「班猫」が見たかったので後期ギリギリで見てきたのですが、見終わった後に「何で前期も見なかったんだ…orz」と激しく後悔(苦笑)
その後、前期で見損ねた「夏鹿」が所有先のMOA美術館で展示される、という情報を聞き、熱海に見に行った、という経緯だったのですが、今回の展覧会では再び「夏鹿」が出品され、しかも町立湯河原美術館が所有する竹内栖鳳作品も出品とのこと。
そして写真撮影もOKとのことで、重たいCOOLPIX P900持って張り切って出掛けて来た訳です。
(COOLPIX、室内で撮影した写真も結構暗めだったので、室内はやはりα6000の方がいいのかもなー)
4年半ぶりの「夏鹿」<昭和11(1936)年>
右隻には静かに佇む七頭の鹿
左隻には跳躍する一頭の鹿
相対する構図がなんとも楽しい栖鳳画伯71才頃の作品です。
鹿をえがいた作品には他にも「和暖」<大正13(1924)年>という作品もありますが
個人的には「夏鹿」の方が鹿が生き生きと描かれていて好きです(*´ω`*)
(「和暖」は宮内庁三の丸肖蔵館所有なので今回は展示無し)
竹内栖鳳が好んで描いたモチーフの1つに雀があります。
「翠竹和雀」<昭和8~9年頃(1933~1934)>
金箔張りの屏風に雀だけを描いた作品も
「喜雀」(左隻部分)<昭和15(1940)年>
竹内栖鳳はこの作品を描いた2年後の昭和17(1942)年に亡くなっているので、最晩年の頃の作品ですね。
これは湯河原美術館所有の作品でした。
晩年の栖鳳は療養のため、湯河原にある老舗の天野屋旅館内の敷地に住居と画室を設け、別荘として長期滞在していたのですが、この天野屋旅館は国登録有形文化財にもなりましたが、残念ながら2004年に閉館。
跡地に町立湯河原美術館が出来たのだそうです。
個人的には天野屋旅館、残しておいて欲しかった(;´Д`)
「栖鳳雀」と言われる程雀を描いた作品が多いのですが、雀以外の小禽を描いた作品も多いです。
「波と燕」<昭和9(1934)年頃>
決して写実的に描き込んでいる訳ではないのに
この見事な描写力
「行秋(ゆくあき)」<昭和9(1934)年>
薪の上にちょこんと止まるシジュウカラの愛らしさ
下に描かれた落ち葉が2枚。寒さにふっくらと丸くなるシジュウカラ。冬の準備の為の薪一束。
それで晩秋の時期を描くテクニックも実に見事です。
先日フェルメール展で見て来たヤン・ウェーニクス作「野ウサギと狩りの獲物」でのウサギは
とにかく描きこまれた筆致でウサギのふわふわした毛皮が表現されていましたが
竹内栖鳳のウサギの場合だと
「宇佐機(うさぎ)」<昭和14(1939)年頃>
最低限に抑えた筆致と墨の滲みでうさぎのふわふわ感を描いています。
今回の特別展では晩年の作品が中心だったのですが、初期の頃の栖鳳作品は細かく描き込まれたものが多いです。
日本画の場合、竹内栖鳳に限らず晩年に描いた作品になるに従い最低限の筆致で描くようになる画家は多いと思うのですが、それが手抜きの様に見えるかと言えば然にあらず。
西洋画はとにかく描きこまれたプラスの美学ですが、日本画は無駄を取り去り必要最低限で表すマイナスの美学なんじゃないかと思うのです(まぁ西洋画でも印象派の様な作品や、日本画でもとにかく細かく描き込まれた作品ももちろんありますけれど)。
「蓮と蛙」<昭和2(1927)年>
栖鳳の蛙も何とも言えない愛らしさがあります(*´ω`*)
自宅の庭の池に蛙を沢山飼っていて、見ただけでオスメスの判別が出来る程よく観察していたのだそうです。
「冬瓜」<昭和3(1928)年>
実家が京都の川魚料理屋だったからか、魚をモチーフにした作品も
「山海珍賞(さんかいちんしょう)」<昭和8(1933)年頃>
甘鯛と車海老でしょうか。
「海幸(うみのさち)」<昭和11(1936)年頃>
ところどころに青金泥を使用し、魚の鱗の色を見事に表した一品。
「潮沙去来(ちょうさきょらい)」<昭和5(1930)年>
風景を描いた軸物にしては珍しく横長の作品です。栖鳳自体も後年、日本画には床の間との関係もあって細長い作品が多い、としながら
「然し私は矢張り自分の欲願に基づいて、横物で、平野の風景を現代人としての眼で眺めた感興を表現したいと思っている」
と記しています。
竹内栖鳳の作品では動物を描いた作品が特に好きなのですが、風景画ではこの潮来の海を描いた「潮来風景」シリーズが一番好きです(*´ω`*)
後半には竹内栖鳳門下生の作品も展示されていました。
橋本関雪とか
上村松園とか
途中途中にMOA美術館が所有する板谷波山の作品や
国宝の野々村仁清の壺なども展示されています。
リニューアル後に展示室のガラスは全て低反射高透過ガラスに替えられているので、反射による写り込みはほぼ無く、写真撮っても実にクリアーなのがイイヽ(・∀・)ノ
残念ながらMOA美術館が所有するもう1つの国宝「紅白梅図屏風」は展示期間外でしたが、代わりに杉本博司によるプラチナ・パラディウムプリントの「月下紅白梅図」がありました。
あと以前常設展示されていた千住博画伯の「ウォーターフォール」が無くなっていたのが残念でした(;´Д`)
売却してしまったのかと思ったら、どうもMOA美術館所有作品ではなく、寄託作品だった模様。
今は何処に飾られているんでしょうね…(;´∀`)
やはり頬の筋肉に直接麻酔薬を注入されたせいだったらしく、後日外から見てもハッキリ判る位内出血を起こしていました(;´Д`)(今はだいぶマシになりましたが、まだ少し内出血跡が残っています)
担当した歯科医の卒業先がM大学と記載されていたのですが、やたら歯科医に通い詰めた過去を持ち、良い歯科医に詳しい後輩Sちゃんの情報によると、そのM大学卒業の歯科は一番通っちゃあかんと…
ネットの口コミ評判だけは良いところなのですが、実際に良いかどうかは通ってみないと充てにならないですよね(;´Д`)
根幹治療済みな奥歯だけはどうしようもないので、しばらくは通いますが、1本治療終わったら他の歯科医を探すことにします。でもSちゃん推しの大学卒業した医者が開業している個人歯科は近所になかなか無いんだよなぁ
年末に出掛けたMOA美術館「竹内栖鳳展−コレクションを中心に−」
時期も時期なので、空いているんじゃないかと密かに期待して行ったのですが、案外混んでおりましたですよ。
続きは ↓ から
竹内栖鳳(たけうちせいほう)は四条派の画家「幸野楳嶺(こうのばいれい)」に師事し、門下生にも上村松園や橋本関雪、小野竹喬、土田麦僊など現在でも名の知れた近代日本画家を多く世に送り出した京都画壇の重鎮です。
動物をモチーフにした作品を描くことが多く「動物を描かせればその匂いまで描く」と言われた程。
因みに4年半前に初めてMOA美術館へ来た時も特別展「近代日本画の華 竹内栖鳳展」が見たかったから、だったりします。
その前の年の2013年に東京国立近代美術館で「竹内栖鳳展 近代日本画の巨人」が開催され、後期期間に出品される「班猫」が見たかったので後期ギリギリで見てきたのですが、見終わった後に「何で前期も見なかったんだ…orz」と激しく後悔(苦笑)
その後、前期で見損ねた「夏鹿」が所有先のMOA美術館で展示される、という情報を聞き、熱海に見に行った、という経緯だったのですが、今回の展覧会では再び「夏鹿」が出品され、しかも町立湯河原美術館が所有する竹内栖鳳作品も出品とのこと。
そして写真撮影もOKとのことで、重たいCOOLPIX P900持って張り切って出掛けて来た訳です。
(COOLPIX、室内で撮影した写真も結構暗めだったので、室内はやはりα6000の方がいいのかもなー)
4年半ぶりの「夏鹿」<昭和11(1936)年>
右隻には静かに佇む七頭の鹿
左隻には跳躍する一頭の鹿
相対する構図がなんとも楽しい栖鳳画伯71才頃の作品です。
鹿をえがいた作品には他にも「和暖」<大正13(1924)年>という作品もありますが
個人的には「夏鹿」の方が鹿が生き生きと描かれていて好きです(*´ω`*)
(「和暖」は宮内庁三の丸肖蔵館所有なので今回は展示無し)
竹内栖鳳が好んで描いたモチーフの1つに雀があります。
「翠竹和雀」<昭和8~9年頃(1933~1934)>
金箔張りの屏風に雀だけを描いた作品も
「喜雀」(左隻部分)<昭和15(1940)年>
竹内栖鳳はこの作品を描いた2年後の昭和17(1942)年に亡くなっているので、最晩年の頃の作品ですね。
これは湯河原美術館所有の作品でした。
晩年の栖鳳は療養のため、湯河原にある老舗の天野屋旅館内の敷地に住居と画室を設け、別荘として長期滞在していたのですが、この天野屋旅館は国登録有形文化財にもなりましたが、残念ながら2004年に閉館。
跡地に町立湯河原美術館が出来たのだそうです。
個人的には天野屋旅館、残しておいて欲しかった(;´Д`)
「栖鳳雀」と言われる程雀を描いた作品が多いのですが、雀以外の小禽を描いた作品も多いです。
「波と燕」<昭和9(1934)年頃>
決して写実的に描き込んでいる訳ではないのに
この見事な描写力
「行秋(ゆくあき)」<昭和9(1934)年>
薪の上にちょこんと止まるシジュウカラの愛らしさ
下に描かれた落ち葉が2枚。寒さにふっくらと丸くなるシジュウカラ。冬の準備の為の薪一束。
それで晩秋の時期を描くテクニックも実に見事です。
先日フェルメール展で見て来たヤン・ウェーニクス作「野ウサギと狩りの獲物」でのウサギは
とにかく描きこまれた筆致でウサギのふわふわした毛皮が表現されていましたが
竹内栖鳳のウサギの場合だと
「宇佐機(うさぎ)」<昭和14(1939)年頃>
最低限に抑えた筆致と墨の滲みでうさぎのふわふわ感を描いています。
今回の特別展では晩年の作品が中心だったのですが、初期の頃の栖鳳作品は細かく描き込まれたものが多いです。
日本画の場合、竹内栖鳳に限らず晩年に描いた作品になるに従い最低限の筆致で描くようになる画家は多いと思うのですが、それが手抜きの様に見えるかと言えば然にあらず。
西洋画はとにかく描きこまれたプラスの美学ですが、日本画は無駄を取り去り必要最低限で表すマイナスの美学なんじゃないかと思うのです(まぁ西洋画でも印象派の様な作品や、日本画でもとにかく細かく描き込まれた作品ももちろんありますけれど)。
「蓮と蛙」<昭和2(1927)年>
栖鳳の蛙も何とも言えない愛らしさがあります(*´ω`*)
自宅の庭の池に蛙を沢山飼っていて、見ただけでオスメスの判別が出来る程よく観察していたのだそうです。
「冬瓜」<昭和3(1928)年>
実家が京都の川魚料理屋だったからか、魚をモチーフにした作品も
「山海珍賞(さんかいちんしょう)」<昭和8(1933)年頃>
甘鯛と車海老でしょうか。
「海幸(うみのさち)」<昭和11(1936)年頃>
ところどころに青金泥を使用し、魚の鱗の色を見事に表した一品。
「潮沙去来(ちょうさきょらい)」<昭和5(1930)年>
風景を描いた軸物にしては珍しく横長の作品です。栖鳳自体も後年、日本画には床の間との関係もあって細長い作品が多い、としながら
「然し私は矢張り自分の欲願に基づいて、横物で、平野の風景を現代人としての眼で眺めた感興を表現したいと思っている」
と記しています。
竹内栖鳳の作品では動物を描いた作品が特に好きなのですが、風景画ではこの潮来の海を描いた「潮来風景」シリーズが一番好きです(*´ω`*)
後半には竹内栖鳳門下生の作品も展示されていました。
橋本関雪とか
上村松園とか
途中途中にMOA美術館が所有する板谷波山の作品や
国宝の野々村仁清の壺なども展示されています。
リニューアル後に展示室のガラスは全て低反射高透過ガラスに替えられているので、反射による写り込みはほぼ無く、写真撮っても実にクリアーなのがイイヽ(・∀・)ノ
残念ながらMOA美術館が所有するもう1つの国宝「紅白梅図屏風」は展示期間外でしたが、代わりに杉本博司によるプラチナ・パラディウムプリントの「月下紅白梅図」がありました。
あと以前常設展示されていた千住博画伯の「ウォーターフォール」が無くなっていたのが残念でした(;´Д`)
売却してしまったのかと思ったら、どうもMOA美術館所有作品ではなく、寄託作品だった模様。
今は何処に飾られているんでしょうね…(;´∀`)
日々すり減っていく脳細胞の代わりに記録しておく備忘録的なお出掛けetc日記
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開業してる歯科医の数は今やコンビニより多いらしいですよ(^_^;) お大事に(;_;)
どれも愛でたくなるような作品ですね(〃'∇'〃) 西洋画はプラスの美学だが日本画は
マイナスの美学、西洋画は足し算で日本画は引き算とはよく言われてますね(^_^;)
by middrinn (2019-01-15 20:09)
確かに最近はやたらと歯医者が増えている様な…。でも個人開業の歯医者じゃなくて、複数の歯科医が勤務していて夜遅く&土日もやっているそれこそコンビニライクな歯科医が。 後輩Sちゃんに言わせるとそういう一見便利な歯医者が一番いかんのだそうですが;
西洋画と日本画の違いは使用している画材の違いなんかもあるのでしょうかねぇ。油絵の具+キャンバスだと乾いてからも上から描き足せるけれど、岩絵の具+紙or絹布はあまり厚塗りすると縒れたり剥落しそうですものね(日本画でも厚塗りで描く画家はおりますが)
by そらそら (2019-01-15 20:52)
歯科治療に行って内出血だなんて、びっくりですよね^^;
お大事にして下さいね。
竹内栖鳳の作品、動物が生き生きと描かれていますね。
中でも、鹿は躍動感ありますね。
by ☆ミルキーウェイ☆ (2019-01-16 01:37)
ホントに歯医者の麻酔で内出血とかビックリでした(;´Д`)
明日がまた歯医者予約dayなので、いつも以上に戦々恐々としています;;
竹内栖鳳展、晩年作品メインだったのが少しだけ残念でした。初期頃に描かれた作品は金屏風に獅子や象を描いたり、と従来の日本画のイメージを覆す様なモチーフが多いので、それも見たかったのですけれどね。
by そらそら (2019-01-16 19:31)