期間ギリギリで見てきました「ルーベンス展ーバロックの誕生」 [美術館]
先日枕をオーダーメイドのものに変えてから、肩凝りが楽になった様な気がします。
少なくとも朝起きていきなり肩凝りと頭痛、ということは無くなったし、仰向けに寝ていると息苦しい感じがしていたのが無くなったのは確か(以前の枕は首部分が低かったので、仰向けに寝ると顎が下がる→気道を圧迫していたのだと思うのですが)
流石に結構なお値段したので、これで何も変化が無かったらどうしようかとも思ったのですが、買い直した甲斐はあったということで(;´∀`)ノ
この週末(1/25)は体調イマイチだったので、仕事終わってからはうろちょろせずに真っすぐ帰宅したのですが、先々週末(1/18)はようやく国立西洋美術館へ「ルーベンス展ーバロックの誕生」を見に国立西洋美術館へ出掛けてきました。
期間が1/20まで。終了間近の最後の金曜夜間デーってことで相当混雑していました。
混雑するだろうな、とは思っていたので仕事を早めに切り上げて見に行くつもりだったのですが、打ち合わせとかが長引いてしまい、結局いつも通りに退社して上野へ
出品数は70点程度と少ないので閉館までの残り2時間でどうにか見られるかな、と思ったのですが、最後付近は駆け足で見る羽目になってしまいました(;´Д`)
物販は閉館時間の時点でこの状態(左側に見えている行列)だったので諦め
買いたかったグッズは既に売り切れ状態のものも多かったし(>_<)
美術展はやっぱり開催後、早い時期に行っておくべきですね
続きは ↓ から
ルーベンス展、見に行く前に「あなたはなぜ、ルーベンスの絵に感動できないのか?」という記事を読んでおりました。
要するに描かれている歴史や背景、物語などの内容を理解していなければ、絵に描かれた寓意に気付けないから感動出来ないということだったのですが、これは同意。
個人的に西洋画よりも日本画の方に興味があるのは、西洋画の場合「良い絵なんだろうけれど、何が描きたかったのか、どういう寓意があるのかよくわからん」という作品が多いので、つい敬遠しがちというのがあります。
今回はオーディオガイドを借りて観覧すれば多少は良さも判るだろう、と思ったのですが、ガイドもスポット当たる部分しか説明されていないので結局「(;´∀`)…??」と謎な作品も多めでした。
例えば《エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち》という作品
何の説明も無い状態で見たら「何じゃこれ?」な絵です。
背後には乳房が5つある石像と不気味な怪物のスタチュー。
籠に入った赤子の傍には蛇が描かれており、その回りに裸体の女性3人と1人の老婆。そして羽根の生えた子供(キューピッドやエンジェルではなくプットーと言うそうですが)
オーディオガイドの説明では、アテナがエリクトニオス(下半身が蛇)を不死にしようと考え、籠に入れたエリクトニオスをアテーナイ王ケクロプスの娘たちに預け、その際「決して籠の中を見ない様に」と言いつけたが、その言いつけを破って籠を開けてしまいエリクトニオスを見つけてしまった場面とのことでした。
背後の奇妙な石像がエリクトニオスの母親であるガイアらしいのですが、説明聞いても???です。
ギリシャ神話に精通していないとさっぱりわからんですね┐('д')┌
後日調べたところによれば…
女神アテナが鍛冶神ヘパイストスに武器を鍛造してもらおうと工房にやってきたところ、日頃から妻アフロディーテに邪見にされていたヘパイストスがアテナに欲情してしまう。
しかしアテナは逃げ出したためヘパイストスは不自由な足でアテナを追いかけ回した挙げ句、女神の足に精を漏らしてしまう(ヘパイストス、サイテーですな(;´∀`))
アテナが羊毛で足に付いた精を拭き取り大地に捨てたところ、大地の女神ガイアが身ごもってしまい、足の代わりに蛇が生えたエリクトニオスが誕生する。
アテナはこの子供を不死にしようと考え、蛇に巻き付かせた状態で箱にエリクトニオスを入れ(注:蛇に巻き付かせて成長すると不死になるんだそうで)、同じく足が蛇のアテーナイ王ケクロプスの娘たち3人に「決して箱を開けない様に」言いつけて預ける。
しかし「開けるな」と言われると開けてしまいたくなってしまうもので、3姉妹の内ヘルセーとパンドロソスはアテナの言いつけ通りに箱を開けずに預かっていたが、アグラウロスが箱を開けてしまい、エリクトニオスを見つけてしまう(あるいはアグラウロスとヘルセーが箱を開けた、とも)
箱を開けてしまった娘達は、エリクトニオスを守っていた蛇に噛まれて絶命した、とか、約束を破ったため怒ったアテナによって狂気の状態になり崖から飛び降りた、という神話だったのですが。
で、結局ルーベンスが何をこの絵で示したかったかと言うと、神話の一場面であると共に「豊穣」の寓意であり、西洋文明の始まりを示す、とも。
さっぱり訳わかんないよパトラッシュ!!!!ヽ(´Д`;≡;´Д`)ノ
神話を描いた作品は他にも何作品かありましたが、例え元の神話を知っていたとしても荒唐無稽な内容でいまいちピンと来ないのが多いかも…(;´∀`)
《パエトンの墜落》は比較的判り易い作品でした。
パエトンは太陽神アポロンの息子。友人達から太陽神アポロンの息子であることを疑われたパエトンは、どうにかアポロンの息子であることを証明しようと、アポロンに懇願して太陽の戦車を借り操縦する。
しかしパエトンの腕では太陽の戦車を御し切れず、地上に向かって暴走したため地上は大火に見舞われる。
最高神ユピテルはやむを得ず雷霆を戦車に放ち、パエトンは地上に落ちて絶命する。
寓意はもちろん「奢る事なかれ」とのこと。
個人的にはルーベンスが長女5歳の頃に描いた「クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像」が気に入りました。
ルーベンスが自らの傍らに置いておくために描かれたこの肖像画。
ふっくらとしたバラ色の頬と柔らかそうな髪をしたクララが可愛らしく描かれています(しかし長女クララは12歳で早世してしまいます)
そしてルーベンスと言えば、アニメ「フランダースの犬」を見て育った世代としては、教会に飾られたキリストの絵を描いた人、というイメージがあるのですが、件の絵はアントウェルペン(アントワープ)にある聖母大聖堂に飾られた大作なので日本での展示は無し。
その代わり会場内では4K映像で聖母大聖堂に飾られているルーベンスの作品「聖母の被昇天」「キリストの昇架」「キリストの降架」を見ることが出来ました。
アントウェルペン(アントワープ)聖母大聖堂に飾られているルーベンス作品
ルーベンス作品もさながら、教会がえげつないくらい凄い…Σ(・ω・/)/
会場内では磔になったキリストが絶命し、弟子によって十字架から降ろされた後を描いた「キリスト哀悼」の2作品が並べて展示されていましたが
この「キリスト哀悼」はだいぶ宗教色強めに描かれているのに対し
この「キリスト哀悼」は宗教画というより、相当写実画的な感じが…∑(゚Д゚|||)!!
ルーベンスもおそらく人体の描き方を学ぶため、美術解剖学を学んだのでしょう。
眼に涙を浮かべたマリアが、キリストの額に残ったイバラのトゲを取り、開いた目蓋を閉じる場面が描かれていますが、これは聖書に基づいた写実なのだそうです。
ルーベンスは当時から非常に人気がある画家だったので、その作品は非常に高く評価されていたそうなのですが、後年別の画家に大きく手を入れられて全く異なるモチーフになってしまった作品なども展示されていました。
例えば《アベルの死》という作品
元々ルーベンスは《洗礼者ヨハネの斬首》をモチーフに描いていて、この絵も斬首されたヨハネが描かれていたそうなのですが、18世紀の時代に数名の画家によって頭や背景、犬などが描き足され、元の絵とは全く異なる作品になってしまったとのこと(;´Д`)
日本でも尾形光琳が描いた「風神雷神図屏風」の裏側に、酒井抱一が「夏秋草(なつあきくさ)図屏風」を描いたりはしていますが、あれはあくまでも裏側に描かれた作品。
他人の作品に上書きして全く別の作品にしてしまう、というのは…どうなの?(;´∀`) と思ってしまった作品でした。
元の絵画がどんなものだったのか見てみたかった気がしますが、当時はカメラなど無い時代だし、今となっては全て闇の中、いや、絵具の中…
会場内にはルーベンスと同時期に活躍していたバロック期の画家作品の他に、ルーベンスが作品を描く時にモチーフとした彫像なども展示されていました。見せ方自体は工夫されていて結構楽しんで見ることができましたが、やっぱり西洋画はきちんと理解して見るの難しいよ、パトラッシュ(;´∀`)
少なくとも朝起きていきなり肩凝りと頭痛、ということは無くなったし、仰向けに寝ていると息苦しい感じがしていたのが無くなったのは確か(以前の枕は首部分が低かったので、仰向けに寝ると顎が下がる→気道を圧迫していたのだと思うのですが)
流石に結構なお値段したので、これで何も変化が無かったらどうしようかとも思ったのですが、買い直した甲斐はあったということで(;´∀`)ノ
この週末(1/25)は体調イマイチだったので、仕事終わってからはうろちょろせずに真っすぐ帰宅したのですが、先々週末(1/18)はようやく国立西洋美術館へ「ルーベンス展ーバロックの誕生」を見に国立西洋美術館へ出掛けてきました。
期間が1/20まで。終了間近の最後の金曜夜間デーってことで相当混雑していました。
混雑するだろうな、とは思っていたので仕事を早めに切り上げて見に行くつもりだったのですが、打ち合わせとかが長引いてしまい、結局いつも通りに退社して上野へ
出品数は70点程度と少ないので閉館までの残り2時間でどうにか見られるかな、と思ったのですが、最後付近は駆け足で見る羽目になってしまいました(;´Д`)
物販は閉館時間の時点でこの状態(左側に見えている行列)だったので諦め
買いたかったグッズは既に売り切れ状態のものも多かったし(>_<)
美術展はやっぱり開催後、早い時期に行っておくべきですね
続きは ↓ から
ルーベンス展、見に行く前に「あなたはなぜ、ルーベンスの絵に感動できないのか?」という記事を読んでおりました。
要するに描かれている歴史や背景、物語などの内容を理解していなければ、絵に描かれた寓意に気付けないから感動出来ないということだったのですが、これは同意。
個人的に西洋画よりも日本画の方に興味があるのは、西洋画の場合「良い絵なんだろうけれど、何が描きたかったのか、どういう寓意があるのかよくわからん」という作品が多いので、つい敬遠しがちというのがあります。
今回はオーディオガイドを借りて観覧すれば多少は良さも判るだろう、と思ったのですが、ガイドもスポット当たる部分しか説明されていないので結局「(;´∀`)…??」と謎な作品も多めでした。
例えば《エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち》という作品
何の説明も無い状態で見たら「何じゃこれ?」な絵です。
背後には乳房が5つある石像と不気味な怪物のスタチュー。
籠に入った赤子の傍には蛇が描かれており、その回りに裸体の女性3人と1人の老婆。そして羽根の生えた子供(キューピッドやエンジェルではなくプットーと言うそうですが)
オーディオガイドの説明では、アテナがエリクトニオス(下半身が蛇)を不死にしようと考え、籠に入れたエリクトニオスをアテーナイ王ケクロプスの娘たちに預け、その際「決して籠の中を見ない様に」と言いつけたが、その言いつけを破って籠を開けてしまいエリクトニオスを見つけてしまった場面とのことでした。
背後の奇妙な石像がエリクトニオスの母親であるガイアらしいのですが、説明聞いても???です。
ギリシャ神話に精通していないとさっぱりわからんですね┐('д')┌
後日調べたところによれば…
女神アテナが鍛冶神ヘパイストスに武器を鍛造してもらおうと工房にやってきたところ、日頃から妻アフロディーテに邪見にされていたヘパイストスがアテナに欲情してしまう。
しかしアテナは逃げ出したためヘパイストスは不自由な足でアテナを追いかけ回した挙げ句、女神の足に精を漏らしてしまう(ヘパイストス、サイテーですな(;´∀`))
アテナが羊毛で足に付いた精を拭き取り大地に捨てたところ、大地の女神ガイアが身ごもってしまい、足の代わりに蛇が生えたエリクトニオスが誕生する。
アテナはこの子供を不死にしようと考え、蛇に巻き付かせた状態で箱にエリクトニオスを入れ(注:蛇に巻き付かせて成長すると不死になるんだそうで)、同じく足が蛇のアテーナイ王ケクロプスの娘たち3人に「決して箱を開けない様に」言いつけて預ける。
しかし「開けるな」と言われると開けてしまいたくなってしまうもので、3姉妹の内ヘルセーとパンドロソスはアテナの言いつけ通りに箱を開けずに預かっていたが、アグラウロスが箱を開けてしまい、エリクトニオスを見つけてしまう(あるいはアグラウロスとヘルセーが箱を開けた、とも)
箱を開けてしまった娘達は、エリクトニオスを守っていた蛇に噛まれて絶命した、とか、約束を破ったため怒ったアテナによって狂気の状態になり崖から飛び降りた、という神話だったのですが。
で、結局ルーベンスが何をこの絵で示したかったかと言うと、神話の一場面であると共に「豊穣」の寓意であり、西洋文明の始まりを示す、とも。
さっぱり訳わかんないよパトラッシュ!!!!ヽ(´Д`;≡;´Д`)ノ
神話を描いた作品は他にも何作品かありましたが、例え元の神話を知っていたとしても荒唐無稽な内容でいまいちピンと来ないのが多いかも…(;´∀`)
《パエトンの墜落》は比較的判り易い作品でした。
パエトンは太陽神アポロンの息子。友人達から太陽神アポロンの息子であることを疑われたパエトンは、どうにかアポロンの息子であることを証明しようと、アポロンに懇願して太陽の戦車を借り操縦する。
しかしパエトンの腕では太陽の戦車を御し切れず、地上に向かって暴走したため地上は大火に見舞われる。
最高神ユピテルはやむを得ず雷霆を戦車に放ち、パエトンは地上に落ちて絶命する。
寓意はもちろん「奢る事なかれ」とのこと。
個人的にはルーベンスが長女5歳の頃に描いた「クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像」が気に入りました。
ルーベンスが自らの傍らに置いておくために描かれたこの肖像画。
ふっくらとしたバラ色の頬と柔らかそうな髪をしたクララが可愛らしく描かれています(しかし長女クララは12歳で早世してしまいます)
そしてルーベンスと言えば、アニメ「フランダースの犬」を見て育った世代としては、教会に飾られたキリストの絵を描いた人、というイメージがあるのですが、件の絵はアントウェルペン(アントワープ)にある聖母大聖堂に飾られた大作なので日本での展示は無し。
その代わり会場内では4K映像で聖母大聖堂に飾られているルーベンスの作品「聖母の被昇天」「キリストの昇架」「キリストの降架」を見ることが出来ました。
アントウェルペン(アントワープ)聖母大聖堂に飾られているルーベンス作品
ルーベンス作品もさながら、教会がえげつないくらい凄い…Σ(・ω・/)/
会場内では磔になったキリストが絶命し、弟子によって十字架から降ろされた後を描いた「キリスト哀悼」の2作品が並べて展示されていましたが
この「キリスト哀悼」はだいぶ宗教色強めに描かれているのに対し
この「キリスト哀悼」は宗教画というより、相当写実画的な感じが…∑(゚Д゚|||)!!
ルーベンスもおそらく人体の描き方を学ぶため、美術解剖学を学んだのでしょう。
眼に涙を浮かべたマリアが、キリストの額に残ったイバラのトゲを取り、開いた目蓋を閉じる場面が描かれていますが、これは聖書に基づいた写実なのだそうです。
ルーベンスは当時から非常に人気がある画家だったので、その作品は非常に高く評価されていたそうなのですが、後年別の画家に大きく手を入れられて全く異なるモチーフになってしまった作品なども展示されていました。
例えば《アベルの死》という作品
元々ルーベンスは《洗礼者ヨハネの斬首》をモチーフに描いていて、この絵も斬首されたヨハネが描かれていたそうなのですが、18世紀の時代に数名の画家によって頭や背景、犬などが描き足され、元の絵とは全く異なる作品になってしまったとのこと(;´Д`)
日本でも尾形光琳が描いた「風神雷神図屏風」の裏側に、酒井抱一が「夏秋草(なつあきくさ)図屏風」を描いたりはしていますが、あれはあくまでも裏側に描かれた作品。
他人の作品に上書きして全く別の作品にしてしまう、というのは…どうなの?(;´∀`) と思ってしまった作品でした。
元の絵画がどんなものだったのか見てみたかった気がしますが、当時はカメラなど無い時代だし、今となっては全て闇の中、いや、絵具の中…
会場内にはルーベンスと同時期に活躍していたバロック期の画家作品の他に、ルーベンスが作品を描く時にモチーフとした彫像なども展示されていました。見せ方自体は工夫されていて結構楽しんで見ることができましたが、やっぱり西洋画はきちんと理解して見るの難しいよ、パトラッシュ(;´∀`)
日々すり減っていく脳細胞の代わりに記録しておく備忘録的なお出掛けetc日記
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So-netブログの展覧会を紹介した記事は
木村泰司の言う「主観的な見方」ばかり
かと(^_^;) ガイアの乳房が5つあるから
「豊穣」の寓意ということですかね^_^;
by middrinn (2019-01-29 22:20)
ブログ=日記ですもの。そりゃ主観的な記事にもなりますよねぇ(;´∀`)
客観的な紹介記事は書籍や美術関係サイトにお任せしておけばいいかと。
そしてなるほど。乳房の数が豊穣を示すと言うことですか。それじゃエペソスの女神とかなら大豊穣?(;´∀`)
by そらそら (2019-01-30 19:28)