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2019年 平成→令和 またぎ旅【御守犬を求めて法華寺へ】 [旅行]

6月は仕事で上期の〆月になるので、毎年この時期になると微妙に憂鬱です…[たらーっ(汗)]
出来れば鎌倉や箱根辺りに1泊で出掛けて紫陽花でも愛でたい時期なのですが、そんなことをしたら後日の自分に泣きながら責められそうなので行けない(;´∀`)
しかもただいまプライベートでも何かと忙しいので、週末になっても何処にも出掛けられず状態です[たらーっ(汗)]
6月末になれば余裕は出てくる筈。それまでは我慢我慢(>_<)



法隆寺駅から奈良駅に戻り、そこからバスで次の目的地の法華寺へ向かいます。
今度こそはバスの時刻もきちんと調べて、10時58分のバスに遅れる事無く乗車。
法華寺へはJR奈良駅西口から14系統バス「大和西大寺駅行」で「法華寺」バス停で降り、そこから徒歩3分(と公式サイトにはあったのですが、実際はもうちょい歩きました)
法華寺1.JPG
法華寺2.jpg
光明宗 総国分尼寺 法華滅罪之寺(ほっけめつざいのてら)
わぁお、なんか正式名称が凄い…(;´∀`)



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皇族や公家など高貴な身分の人によって営まれてきた寺院を「門跡」と称するそうですが、ここ法華寺は奈良の三尼門跡寺院の内の1つです。
(法華寺の他は圓照寺と、その前に拝観した中宮寺)
法華寺境内は元々は藤原不比等の邸宅である宮殿があった場所だそうですが、娘の光明皇后が相続して皇后宮とした後、宮寺としたのが始まりだそう。

こちらも中宮寺と同じく比較的こじんまりとしたお寺なのですが、庭園まで見て回るとそれなりに歩きます。
法華寺3.jpg


で、法華寺に参拝したかった理由ですが、ここでしか入手出来ない「御守犬」を授与して頂きたかったから。

「御守犬」というのは法華寺を開基した光明皇后が結縁の者に授けるために自ら造ったとされるもので、病苦や災難の厄除けを願い、護摩供養の灰を清浄な山土に混ぜて造られる小さな犬の形をした土人形です。
現在でも当時と同じ手法で、法華寺の門首と尼僧たちが1つ1つ手作りしており、出来上がるまでに非常に手間ひまかかるため、事前に予約しておくのが望ましいとのこと。
今回は出掛ける10日ほど前に法華寺に電話をし、在庫があるから大丈夫とのことで取り置いて頂いたのですが、御守犬は人気で在庫が無い場合もあるらしいので、確実に欲しい場合にはもう少し余裕を持って予約したほうがいいみたいです。
(何しろ山土と護摩供養の灰を混ぜた物をこねて犬の形にしてから数日間自然乾燥し、胡粉を着色して雲母粉で磨き、絵付けを行ってから完成…ではなく、更にそこからご本尊の十一面観音像の前に奉って(確か一週間)御祈祷した後、授与される、とのことなので、非常に時間がかかるため)


折角名勝庭園公開時期なので、庭園+拝観料を納めて境内へ。
法華寺4.jpg
入口付近に置いてあった鉢植えの牡丹が綺麗だったので、ここでも1枚。
法華寺も尼寺らしく、境内内にあちこちに綺麗な花が咲いていました。


桃山時代建立の鐘楼堂
法華寺5.jpg
鬼瓦に慶長7年(1602年)の刻銘があり、その頃に再興されたものと考えられているそう。
一部に古材が混在しており、古い鐘楼堂の廃材も利用して再興された可能性があるとか。


その奥にある池の上に浮かんでいる様な建物は護摩堂。
法華寺6.jpg
平成17年(2005)に落慶された新しい建物です。

橋を渡ると護摩堂の周囲をぐるりと廻る事が出来ますが、中には入れない模様。
法華寺7.jpg
毎月28日に護摩法要(ごまほうよう)が行われるそうですが、行ったのは30日だったので4月の護摩法要が終わったばかりでした。残念!


護摩堂の前に小さな可愛い桃色の花が咲いている樹がありました。
ギョリュウバイ(御柳梅)
法華寺9.JPG
↑の写真はスマホで接写したものなので、結構大きな花に見えますが、実物は1cmくらいの小さな花です。
リコーWG-5で撮影したら、なかなかピントが手前側の花に合わず、こんな感じに(;´∀`)
法華寺10.jpg
マクロモードでも撮ってみたのですが、背景がだいぶ暗く写ってしまいました。
接写は意外とXperia XZ Premium搭載カメラの方が優れているのかも(;´Д`)


本堂は慶長6年(1601)に再興されたもの
法華寺8.jpg

本堂内は撮影禁止なので内部の写真は無いのですが、ここの本堂には光明皇后が蓮池を歩かれた姿を写したとされるカヤ材一木造の十一面観音像が祀られています。
法華寺十一面観音像.jpg
光背が蓮の未開花や葉を模した珍しい造りなのですが、この部分は明治38年(1905)に補作されたものだそう。
観音像自体は平安時代初期(9世紀前半)に造立されたものだそうですが、法華寺開基からのご本尊ではなく(開基当初の本尊は大日如来だったようです)現在の本堂再建時に本尊とされるようになったものと推測されています。


この十一面観音像は普段は厨子内に納められていて、特定時期以外は非公開になっています。
今年の春の公開時期は3/20~4/7までだったそうで、こっちも時期逃したぁーー(>_<)
なお非公開時期は白檀材で出来た御分身像が祀られています。


予約の電話を入れた時、御守犬は本堂で受け取って下さい、とのことだったので、お参りする前に受け取ってきました。
御守犬1.jpg
御守犬2.jpg
中サイズと小サイズです(*´ω`*)
大きさは中サイズ4cm、小サイズ2cmととても小さなものなのですが、授与料は中サイズ3300円、小2000円とちょっとお高め。
でも授与して頂くまでの手間ひまを考えたらそれも納得ですね。
以前は菊の花を描いた大サイズも存在していたようですが、今は小中の2サイズのみです。

犬ということで、安産の御守りとしても人気があるそうですが、まぁそっちは必要ない(;´∀`)
ので「護持すると長寿を保つことができる」ご利益を期待して…というか、一番は犬モチーフ可愛いから2体(笑)

本堂が慶長6年(1601)に再興された際、礎石部分からも古い御守犬が出土した記録もあるそうです。
残念ながらその時見つかった古い御守犬は今もあるのか調べても分からなかったのですが、古の時代から変わらぬ方法で丁寧に造られて来たんだな、と思うと一層愛着が湧きそうです。




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middrinn

可愛い御守犬を受け取れて良かったですね(〃'∇'〃) 和辻哲郎『古寺巡礼』(岩波文庫,
1979)の法華寺のとこに「尼君は手箱をあけて、小さい犬ころのおもちゃを取り出し、
それを紙にのせて皆の方に押しやった。犬ころは紙の上であと足をはね上げたような
格好をして立っていた。指先でつまんだあとが土に残ってそれがそのまま胸になり足に
なりしている愉快なものだった。/「これをなあお子供衆のお腰に下げておおきやすと
奇体に虫除けになりますそうでなあ方々からくれくれ言やはりますので皆あげてしまい
ましてなあもうこれだけより残っとりませんけれど──どうぞお持ちやして」/これは
尼君がつれづれの手細工であった。尼君はこのおまもりの来歴やら造り方やらを話し
続けた。」とあって、「御守犬」のことっぼいですけど、ポーズが違いますね(^_^;)
by middrinn (2019-06-10 13:49) 

そらそら

和辻哲郎『古寺巡礼』に法華寺の御守犬が書かれている、というのは何かの記事で読んでいたのですが、詳しい内容までは知りませんでした。
法華寺の安産の御守りで、中に更に小さい御守犬が入っているものがある、というのも誰かのブログで見たのですが、それも画像が見つからないんですよねぇ; そのブログ記事が12年前のものだったので、今はもう授与していないのかもしれませんが。
岡山県の吉備津神社にも手捻りの犬と鳥の土人形の授与があるそうです。

by そらそら (2019-06-10 20:11) 

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