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2019年秋 京都de美術館巡り旅【堂本印象美術館で川端龍子作品を見る】 [美術館]

昨日は仕事帰りに久しぶりに渋谷方向へ。
渋谷に11月1日に新しく開業したばかりの商業施設「渋谷スクランブルスクエア」内に国内最大規模の「中川政七商店」が同時オープンしたので出掛けてきました。

店のある11階に登る途中、こんな期間限定インスタレーションスポット発見。
スクランブルスクエア.JPG
時間によって雲の色が変わるそうな。

それにしても中川政七商店、最近あちこちに出来ていますね。
以前は専らWebショップで購入することが多かったのですが、最近は通期経路の途中にもオープンしたのでちょくちょく寄り道しています。
ま、お高い商品も多いので大抵は見るだけで終わりますが(;´∀`)
渋谷店にもいろいろ「良いな」と思う品物が沢山ありましたが、地元の中川政七商店より遥かに高額商品ばかりが…[たらーっ(汗)]
取り敢えず比較的リーズナブルなグラスと、渋谷店限定のハチ公グッズを買ってきました。

ところで渋谷スクランブルスクエアって、何処の跡地に出来たんだろう?東急百貨店東横店南館の跡地か?と思っていたのですが、南館はまだ閉館していなかった(;´∀`)[たらーっ(汗)]
グーグルマップで調べてようやく思い出しました。そういえば、五島プラネタリウムのあった文化会館前に無駄に広いタクシーやバス用のターミナル用地があったっけ…。
渋谷は行く度にどんどん変わって行っているので、もう何処が何に変わったやら[たらーっ(汗)]
たば塩あったり、本のデパート・大盛堂書店あったり、東急10階にテディベアショップあったりした頃の渋谷が懐かしい…(>_<)



前置き長くなりましたが、11月連休(11/2~11/3)に出掛けて来た京都旅行うろちょろ記の続き。

12時16分発の嵐電に乗ってまずは仁和寺駅へ向かいます。
嵐電.JPG
今度は京都で一番メジャーなお土産「夕子」のラッピング電車。

途中、帷子ノ辻(かたびらのつじ)駅で北野線に乗り換え、15分程で御室仁和寺駅に到着。
仁和寺1.JPG
駅前からもう仁和寺の仁王門が見えています。

仁和寺での特別拝観ツアーはこの仁王門下で集合ですが、まだまだ時間があるので先に堂本印象美術館へ。
仁和寺2.JPG
堂本印象美術館はここから2kmほど離れたところにありますが、時間が勿体ないので市営バスで移動。
仁和寺仁王門前にバス停がありまして、59系統の市営バスに乗って4つ目の立命館大学前で降りれば堂本印象美術館はすぐ前なのですが、嵐電降りてからバス出発までの時間が3分程しかなかったので間に合うか非常にヒヤヒヤしました(;´∀`)
(まぁ乗り逃がしても12分程待てば次のバスが来ますが、何しろ予定がタイトだったので[たらーっ(汗)])


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バスにも何とか間に合い、無事に堂本印象美術館へ到着。
印象1.JPG
特別企画展「堂本印象美術館に川端龍子がやってくる -圧倒的迫力の日本画の世界-」を見に来たのでした。
龍子_フライヤー.jpg



それにしても何とも奇抜な外観デザインの美術館です(;´∀`)
印象2.JPG

初めてこの建物を見掛けたのは3年前に龍安寺にバスで向かった時。
堂本印象とは岡本太郎の様な近代芸術家なのかしら…(;´∀`)
何となく気にはなりつつ、近代芸術にはそれほど食指が動かないので、ここに来る事はないのかもと当時は思っていたんですけれどね(苦笑)

この日は非常に天気が良かったので、とにかく外壁の白さが目に沁みました[あせあせ(飛び散る汗)]
印象3.jpg
こんなに白かったかなぁ、この建物[たらーっ(汗)] と思っていたら、昨年春、半世紀ぶりにリニューアルされ、その際に外壁も改修されたそうです。





館内のあちこちで堂本印象自身による意匠が施されています。
印象4.jpg

入口付近の柱も何か凄いことに…[たらーっ(汗)]
印象5.jpg
印象5-1.JPG

館内も凄いことになっています(;´∀`)
印象6.JPG
印象の意匠はドアノブや館内案内板、椅子など、細かい場所にまで及んでいました。
印象7.JPG
(残念ながら館内で撮影可能なのは入口のロビー部分だけでしたが)


堂本印象美術館は今は京都府立となっていますが、元は印象自身によって設立され、昭和41年(1966年)10 月に開館した私設美術館でした。すぐ隣には印象のアトリエと旧邸が残っていて、美術館内の3階にあるサロンから見る事ができます。
開館当初はそのデザインの奇抜さから、京都の景観を壊す三大建築の1つとしてだいぶ批判もあったそうです(;´∀`)
入場料は(消費税アップで値上がりしたそうですが、それでも)510円と破格の安さ。


入館料を払って会場内に入ると川端龍子の作品ではなく、まず堂本印象の日本画作品が数点展示されていました。
堂本印象って、日本画家からスタートしていたのか…Σ(・ω・/)/
印象は京都、龍子は東京と活躍の場は違いましたが、印象と龍子は浅草寺本堂の天井絵をそれぞれ手掛けたり(←これも全く知らなかったΣ(・ω・/)/)、皇室献上用の屏風の揮毫者としてそれぞれ選ばれるなど日本画壇で接点があり、後年は年賀状をやり取りする仲だったそうです。

1階から2階へ繋がるスロープの壁面には川端龍子の「逆説・生々流転」という作品が飾られていたのですが、この作品と言うのが先日大被害を齎した台風19号にも相当したと言われた昭和33年(1958年)に発生した狩野川台風を描いた作品でした。
(奇しくもこの特別企画展がスタートした10月12日に台風19号が上陸しています)
横山大観展で見た「生々流転」は水が徐々に集まりやがて大きな流れとなる緩やかな水が描かれていましたが、龍子の水は狩野川台風と呼ばれる様になった台風22号がヤップ島で発生してから徐々に勢力を増していき、木や家屋、山、生き物などあらゆる物を飲み込み、やがて終息。荒れ果てた大地を再び立て直す場面で終わっていました。


2階の会場では大きめの作品を中心に展示。
フライヤーのトップ絵にも選ばれている「香炉峰」もここに展示されていましたが、個人的には「虎の間」という作品が割と気に入りました。
龍子_虎の間.jpg
これは南禅寺方丈内を飾る狩野探幽による40面の群虎図の内、「水吞みの虎」と呼ばれている障壁画を描いたそうなのですが、襖の中の虎がじろりと睨んでいるポーズを付けた人物は龍子自身。

実際の水吞みの虎は正面を向いた状態で水を飲んでいるので、龍子の方に睨みを聞かせたのは龍子のウィットによるものなのだそう。
群虎図_水吞みの虎.jpg
「龍」に「虎」で、龍虎ではないか、と当時言われたのかどうかは判りませんが、龍子本人は
「別に虎の前に龍を立たして相闘たかはしめやうなどの気分など有つたことなどは毛頭ないことでした」
と題簽に記載しています(;´∀`)


龍子旧宅とアトリエは今でも大田区にあるのですが、終戦2日前に直撃弾の被害を受け、アトリエ以外は全て灰燼に帰してしまいます。
「爆弾散華」とタイトルが付けられた野菜を描いた作品は、当時邸宅内で育てていた野菜が直撃弾でめちゃくちゃになってしまった様子を描いたもので、タイトルの意味が分かった時には衝撃を覚えた作品でした。
龍子_爆弾散華.jpg


龍子作品の中で一番好きかもしれない「百子図」
龍子_百子図.jpg
戦後、子供達の希望により、インドのネルー首相から贈られたゾウのインディラと子供達を描いた作品です。
何度か山種美術館で見た事があるのですが、ここでも展示されているとは思っていなかったので歓喜ヽ(・∀・)ノ


雁の群れを真上から見た構図で描くと言う奇抜なアイデアの「南飛図」も素晴らしかったです。
龍子_南飛図.jpg

この日は美術館学芸員による作品解説も行われていて、存分に川端龍子作品を楽しむ事ができました。


後は「愛染」の実物を見に、足立美術館にも一度行ってみたいなぁ(*´ω`*)
(足立美術館のある島根県は流石に遠い…[たらーっ(汗)]
でもまずは大田区にある龍子記念館を見てからかな[exclamation×2]ヽ(・ω・´)ゝ
川端龍子に関連する特別展は山種美術館とか、割りと近いところでも開催されているのに、近いと逆に足が遠のいてしまう性格はどうにかしないといけませんね(>_<)[あせあせ(飛び散る汗)]
2016年は龍子の没後50周年で、山種美術館でも特集組んだ展覧会を開催していたのに、見に行き損ねたのが悔やまれます(;´Д`)



屋外展示では「野外陶芸作家展」も開催されていましたが、そろそろ仁和寺特別ツアーの集合時間が近づいて来たので余裕持って戻らないと。
印象8.JPG
再び59系統バスに乗って、集合時間の30分前くらいに仁和寺方面へ戻りました。




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middrinn

仁和寺の仁王門の写真、背景がキレイな青空ですが、大内山は見えないんですね( ̄◇ ̄;)
インディラ、メチャ可愛いです(〃'∇'〃) 次のは一見して、クリオネかとΣ( ̄ロ ̄lll)ガーン
by middrinn (2019-11-24 19:28) 

そらそら

宇田天皇陵のある大内山と、仁和寺公式サイトにある成就山とどっちが正式な名称なの?
それとも大内山と成就山は別物なの?と悩んで調べましたが、一応大内山と成就山は別々みたいですね。
でもあの辺りは色んな天皇陵と小さな山がごっちゃになっていて、何処が何山やら…;;

そして南飛図がもうクリオネにしか見えなく…ヽ(´Д`;≡;´Д`)ノ
by そらそら (2019-11-24 20:58) 

そらそら

そうそう、大内山ですが、次に挙げた記事の写真には写っていました。
6枚目(僧侶と仏師の方が写っている写真)の奥側に小さく見える赤色の中門上辺りに見えているのが大内山のようです。
by そらそら (2019-11-24 21:03) 

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