三国志をよく知らんヤツが三国志展を見に行ってきました(;´∀`) [博物館]
梅雨が明けてから真夏日&猛暑日が連日続いていますね(;´Д`)
暑さを乗り切る呪文「去年よりはまだマシ」もそろそろ「去年並み」になって体力気力とも限界になりつつあるギリのところで、昨日から盆休みに入ったところです
大体盆休みは例年5~6日と短め。でも特に有給取って長くする事もなく会社通りの休みスケジュールで来ていた訳なのですが、今年は流石にバテ気味なため1日有給入れて9連休です。
とは言え9日間自宅でゴロゴロしているのも勿体ない。日帰りですが、バテない程度にあちこちうろちょろする予定です(手始めに今日は日帰りで長野へ行って来たのですが、そのうろちょろ記はまた後ほど)
まずは休み前の金曜夜間Dayヽ(・∀・)ノ 東京国立博物館へ
「奈良大和四大寺のみほとけ」展も気になりますが、今回見に行ったのは
「三国志展」です(・∀・)
太っ腹な事に今回の展示作品は(動画以外は)全て撮影OKなのですよ(*´ω`*)
続きは ↓ から
とは言え、実は私殆ど「三国志」に関しては殆ど知らず(;´∀`)
横山光輝著の「三国志」を部分的にちょこっと読んだだけとか、そう言えば昔NHKで人形作家の川本喜八郎が人形美術を手掛けた人形劇「三国志」が放送されていたなぁ、とか(人形劇の方は全くみていませんでしたが)
そもそも三国志って史実なの? それとも創作なの?程度のど素人レベルです
(「三国志」は史実。「三国志演義」は史実を元に創作部分をプラスしたもので、現在三国志に関連する作品はその多くが三国志演義を元に作られているとのことでした)
そんな素人レベルで見に行っても楽しめるんだろうか、とも思ったのですが、1089ブログで「三国志展」では各所に「入門講座パネル」が展示されており、三国志基礎知識を分かり易く説明している、と記載されていたので、それなら楽しめそうかな、と出掛けて来た訳で。
まぁ説明パネル見てもよく分からなかった部分も多いのですが、展示品自体は中国の古美術と思えば興味深いものが多かったし、概ね楽しめました。
…思っていたよりも混雑していてゆっくり見れなかったのがちょっと残念でしたが
会場内には唯一神格化されている関羽の青銅像とか
関羽像 明時代・15~16世紀 新郷市博物館蔵
横山光輝「三国志」の生原稿とか
NHK人形劇「三国志」の人形もあるーー(>∀<)(見ていなかったけれど)
しかし流石は川本喜八郎作の人形
細かい所まで非常に細かく作り込まれています。
個人的には動物をモチーフにした調度品や俑などが多かったのもなかなか良かったです。
これは一級文物になっている豹の置物
劉備の始祖である前漢6代皇帝の景帝の子、中山靖王劉勝夫婦の墓所から発掘された物で、敷物の四隅を抑えるためのものと考えられているそうです。
(トーハクの三国志展に記載されている豹とはちょっとデザインが違う様ですが)
こちらも一級文物の獅子像
首の部分に「洛陽で造られた師子(獅子)」を意味する銘文が彫られています。
こちらも有力者の墓所にあったと推測される像だそうです。
一級文物というのは日本でいうところの国宝ですね。
こういう墓所からの出土品などは盗掘にあって揃っていなかったり、破損していたりするものも多く、一級文物として認定されるのは全体の僅か0.3%程度なのだとか。
今回の特別展「三国志」ではそんな貴重な一級文物が全部で42件展示されています。
こちらは後漢時代2世紀に造られた名も無き主の墓所から発掘された「騎象俑」
リアルな兵馬俑と比べると、デザインはだいぶ簡素な感じだし、大きさも手のひらに乗る程度の小さな俑なのですが、象の特徴をよく捉えて造られていると思いませんか?
董卓の武将ではないかと考えられている張将軍の墓所から出土した「儀仗俑」
こちらも後漢時代2~3世紀に造られたものです。馬のデザインが素晴らしい…(*´ω`*)
「赤壁の前哨戦」を取り上げたコーナーでは
水上戦で飛び交う矢1500本をイメージした展示空間がΣ(・ω・/)/
横山光輝「三国志」の「赤壁の前哨戦」の1シーンも。
横山版三国志では、弓は和弓として描かれていますが、当時の戦闘で実際に使用されていたのは「弩(ど)」と呼ばれるクロスボウの一種だったそうです。
この弩は非常に状態が良いので、明とか清とか後年造られたものなのかと思っていたら、きちんと三国時代のもので、呉が初めて制定した年号「黄武元年(222年)」と刻まれているとのこと。
弩機と木臂(もくひ)を伴って出土した極めて希有な出土品なのだそうで。
第2会場に移ると、大人気の諸葛亮先生の人形が
隣には孟獲の人形が展示されていました。
飾りに使われているヤマドリの羽が素晴らしい(*´ω`*)
石製の舞踏俑(ぶとうよう)2体は
どうしてもこれを連想させる(;´∀`)
まるでボクサーの様な犬の置物は墓所の入口付近に置かれていたもの
↑の俑は何れも後漢~三国時代(蜀)2~3世紀頃のものです。
ほぼ同じ時代でも魏だと犬は
(;´Д`)なんかユルい…
魏、呉、蜀でそれぞれ俑のデザインの特徴が異なっているのはなかなか面白かったです。
(呉の俑は商業船などの形をしていましたが、撮影しなかったので写真無し)
個人的に気に入ったのは羊を象った「羊尊(ようそん)」
三国時代(呉)・甘露元年(265)に造られたものであるにもかかわらず、現代でも十分通用するこの見事な造形美
何の用途で使用されていたのか詳細は分かっていないようですが、頭部と口部に穴が空いていることから酒器として使われていたのかな?と勝手な想像を膨らませながら見ておりました。
「銅鼓」は中国南部の漢族以外の部族が祭祀儀礼など重要な場面で使用して来たものだそうです。
「『山越』の神聖な太鼓」と書かれていましたが、表面や側面部に叩かれて摩滅したような跡らしきものは見当たりませんでした。
表面の紋様を見ると、占星術にでも使われていたのではないだろうか、と思わせる様なデザインをしています。
第2会場での目玉は2008年に発掘された曹操の墓陵「曹操高陵」を実寸で再現した展示エリアでしょうか。
曹操の棺が見つかったエリアには、曹操高陵から出土した白磁の容器、罐(かん)が展示されていました。
この3世紀に焼成されたと推測される白磁の壺が出土するまでは、6世紀の随時代になってから白磁が誕生したと考えられていたそうです。
この罐はそれよりも遥かに前の時代に白磁が誕生していたことを示す品になるのか。
或いは後世に作られた捏造品であるのか。
研究結果報告が待たれる所です。
実際の曹操高陵内の写真パネル
発掘された際、内部は何度か盗掘されてはいたものの、玉衣などの高価な衣装は断片すら見つからず、金細工品なども無く、副葬品は総じて質素だったことから、曹操の遺言「情勢が不安定な今、埋葬が豪勢にする必要は無い。簡素化せよ」が確実に実行されたのではないか、と考えられているとのこと。
高陵が曹操のものであると特定に繋がった石牌(せきはい)
石牌とは服装品目を刻んだ石板の事で、この石牌には
「魏武王常所用挌虎大戟」<「魏の武王(曹操)」愛用の虎をも倒す大戟(おおげき)> と刻まれていた事から、曹操の墓所であると断定されたのだそうです。
魏・呉・蜀と分裂していた三国時代は、司馬炎の登場により100年ぶりに統一化され終息を迎える訳ですが、それも一時的な統一で終わり、その後また随が統一するまで300年もの間、動乱の時代が続く訳ですね。
改めて横山光輝版「三国志」を読破して中国の歴史を再勉強した方が良いのかな、とも思いましたが、流石に60巻全部読了はキツイ(;´∀`)
取り敢えず、今月号のサライの付録にちょうど三国志の小冊子が付いていたので、それを読んで勉強することにします
暑さを乗り切る呪文「去年よりはまだマシ」もそろそろ「去年並み」になって体力気力とも限界になりつつあるギリのところで、昨日から盆休みに入ったところです
大体盆休みは例年5~6日と短め。でも特に有給取って長くする事もなく会社通りの休みスケジュールで来ていた訳なのですが、今年は流石にバテ気味なため1日有給入れて9連休です。
とは言え9日間自宅でゴロゴロしているのも勿体ない。日帰りですが、バテない程度にあちこちうろちょろする予定です(手始めに今日は日帰りで長野へ行って来たのですが、そのうろちょろ記はまた後ほど)
まずは休み前の金曜夜間Dayヽ(・∀・)ノ 東京国立博物館へ
「奈良大和四大寺のみほとけ」展も気になりますが、今回見に行ったのは
「三国志展」です(・∀・)
太っ腹な事に今回の展示作品は(動画以外は)全て撮影OKなのですよ(*´ω`*)
続きは ↓ から
とは言え、実は私殆ど「三国志」に関しては殆ど知らず(;´∀`)
横山光輝著の「三国志」を部分的にちょこっと読んだだけとか、そう言えば昔NHKで人形作家の川本喜八郎が人形美術を手掛けた人形劇「三国志」が放送されていたなぁ、とか(人形劇の方は全くみていませんでしたが)
そもそも三国志って史実なの? それとも創作なの?程度のど素人レベルです
(「三国志」は史実。「三国志演義」は史実を元に創作部分をプラスしたもので、現在三国志に関連する作品はその多くが三国志演義を元に作られているとのことでした)
そんな素人レベルで見に行っても楽しめるんだろうか、とも思ったのですが、1089ブログで「三国志展」では各所に「入門講座パネル」が展示されており、三国志基礎知識を分かり易く説明している、と記載されていたので、それなら楽しめそうかな、と出掛けて来た訳で。
まぁ説明パネル見てもよく分からなかった部分も多いのですが、展示品自体は中国の古美術と思えば興味深いものが多かったし、概ね楽しめました。
…思っていたよりも混雑していてゆっくり見れなかったのがちょっと残念でしたが
会場内には唯一神格化されている関羽の青銅像とか
関羽像 明時代・15~16世紀 新郷市博物館蔵
横山光輝「三国志」の生原稿とか
NHK人形劇「三国志」の人形もあるーー(>∀<)(見ていなかったけれど)
しかし流石は川本喜八郎作の人形
細かい所まで非常に細かく作り込まれています。
個人的には動物をモチーフにした調度品や俑などが多かったのもなかなか良かったです。
これは一級文物になっている豹の置物
劉備の始祖である前漢6代皇帝の景帝の子、中山靖王劉勝夫婦の墓所から発掘された物で、敷物の四隅を抑えるためのものと考えられているそうです。
(トーハクの三国志展に記載されている豹とはちょっとデザインが違う様ですが)
こちらも一級文物の獅子像
首の部分に「洛陽で造られた師子(獅子)」を意味する銘文が彫られています。
こちらも有力者の墓所にあったと推測される像だそうです。
一級文物というのは日本でいうところの国宝ですね。
こういう墓所からの出土品などは盗掘にあって揃っていなかったり、破損していたりするものも多く、一級文物として認定されるのは全体の僅か0.3%程度なのだとか。
今回の特別展「三国志」ではそんな貴重な一級文物が全部で42件展示されています。
こちらは後漢時代2世紀に造られた名も無き主の墓所から発掘された「騎象俑」
リアルな兵馬俑と比べると、デザインはだいぶ簡素な感じだし、大きさも手のひらに乗る程度の小さな俑なのですが、象の特徴をよく捉えて造られていると思いませんか?
董卓の武将ではないかと考えられている張将軍の墓所から出土した「儀仗俑」
こちらも後漢時代2~3世紀に造られたものです。馬のデザインが素晴らしい…(*´ω`*)
「赤壁の前哨戦」を取り上げたコーナーでは
水上戦で飛び交う矢1500本をイメージした展示空間がΣ(・ω・/)/
横山光輝「三国志」の「赤壁の前哨戦」の1シーンも。
横山版三国志では、弓は和弓として描かれていますが、当時の戦闘で実際に使用されていたのは「弩(ど)」と呼ばれるクロスボウの一種だったそうです。
この弩は非常に状態が良いので、明とか清とか後年造られたものなのかと思っていたら、きちんと三国時代のもので、呉が初めて制定した年号「黄武元年(222年)」と刻まれているとのこと。
弩機と木臂(もくひ)を伴って出土した極めて希有な出土品なのだそうで。
第2会場に移ると、大人気の諸葛亮先生の人形が
隣には孟獲の人形が展示されていました。
飾りに使われているヤマドリの羽が素晴らしい(*´ω`*)
石製の舞踏俑(ぶとうよう)2体は
どうしてもこれを連想させる(;´∀`)
まるでボクサーの様な犬の置物は墓所の入口付近に置かれていたもの
↑の俑は何れも後漢~三国時代(蜀)2~3世紀頃のものです。
ほぼ同じ時代でも魏だと犬は
(;´Д`)なんかユルい…
魏、呉、蜀でそれぞれ俑のデザインの特徴が異なっているのはなかなか面白かったです。
(呉の俑は商業船などの形をしていましたが、撮影しなかったので写真無し)
個人的に気に入ったのは羊を象った「羊尊(ようそん)」
三国時代(呉)・甘露元年(265)に造られたものであるにもかかわらず、現代でも十分通用するこの見事な造形美
何の用途で使用されていたのか詳細は分かっていないようですが、頭部と口部に穴が空いていることから酒器として使われていたのかな?と勝手な想像を膨らませながら見ておりました。
「銅鼓」は中国南部の漢族以外の部族が祭祀儀礼など重要な場面で使用して来たものだそうです。
「『山越』の神聖な太鼓」と書かれていましたが、表面や側面部に叩かれて摩滅したような跡らしきものは見当たりませんでした。
表面の紋様を見ると、占星術にでも使われていたのではないだろうか、と思わせる様なデザインをしています。
第2会場での目玉は2008年に発掘された曹操の墓陵「曹操高陵」を実寸で再現した展示エリアでしょうか。
曹操の棺が見つかったエリアには、曹操高陵から出土した白磁の容器、罐(かん)が展示されていました。
この3世紀に焼成されたと推測される白磁の壺が出土するまでは、6世紀の随時代になってから白磁が誕生したと考えられていたそうです。
この罐はそれよりも遥かに前の時代に白磁が誕生していたことを示す品になるのか。
或いは後世に作られた捏造品であるのか。
研究結果報告が待たれる所です。
実際の曹操高陵内の写真パネル
発掘された際、内部は何度か盗掘されてはいたものの、玉衣などの高価な衣装は断片すら見つからず、金細工品なども無く、副葬品は総じて質素だったことから、曹操の遺言「情勢が不安定な今、埋葬が豪勢にする必要は無い。簡素化せよ」が確実に実行されたのではないか、と考えられているとのこと。
高陵が曹操のものであると特定に繋がった石牌(せきはい)
石牌とは服装品目を刻んだ石板の事で、この石牌には
「魏武王常所用挌虎大戟」<「魏の武王(曹操)」愛用の虎をも倒す大戟(おおげき)> と刻まれていた事から、曹操の墓所であると断定されたのだそうです。
魏・呉・蜀と分裂していた三国時代は、司馬炎の登場により100年ぶりに統一化され終息を迎える訳ですが、それも一時的な統一で終わり、その後また随が統一するまで300年もの間、動乱の時代が続く訳ですね。
改めて横山光輝版「三国志」を読破して中国の歴史を再勉強した方が良いのかな、とも思いましたが、流石に60巻全部読了はキツイ(;´∀`)
取り敢えず、今月号のサライの付録にちょうど三国志の小冊子が付いていたので、それを読んで勉強することにします
日々すり減っていく脳細胞の代わりに記録しておく備忘録的なお出掛けetc日記
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「騎象俑」の騎乗してるのは兵士なんですかね(@_@;)
魏の犬も「羊尊」も可愛いですけど、「銅鼓」の円状に
並ぶ各フィギュアも気になります(〃'∇'〃) 吉川英治の
『三国志』全8巻は国民的必読書ですよ( ̄ヘ ̄)y-゚゚゚
by middrinn (2019-08-12 12:16)
中国と台湾に行くと必ず関羽を祀った関帝廟がそこかしこにあります。
by U3 (2019-08-12 17:13)
>>middrinn先輩
「騎象俑」説明パネルによれば「白象に乗る仙人」を表しているそうです。
「銅鼓」の上に乗っているのはカエル、騎馬人物、鳥で、呉の「山越(さんえつ)」と呼ばれた集団との関わりが示唆されていましたが、詳細な説明は書かれていませんでした。
文庫はねぇ…老眼にはキツイのですよ(苦笑)
>>U3様
国内でも横浜や長崎など、中華街には大抵関帝廟がありますね。
by そらそら (2019-08-13 00:09)