原安三郎コレクション 広重ビビッド [美術館]
昨日は仕事を1時間程早く切り上げて、六本木のサントリー美術館で開催されている「広重ビビッド」を見てきました。
広重の浮世絵作品は何度か見た事がありますが、今回の原安三郎コレクションの内、「六十余州名所図会」と「名所江戸百景」は全て初摺。
しかも初摺の中でも比較的早い内に摺られたもの、ということで色彩や墨線など非常に状態が良い物ばかりでした。
(まぁ中には残念な事に一部虫喰いの跡があるものなどもありましたが)
個人的には広重は「花鳥大短冊図撰」とかが一番好きなのですが「江戸百景」ももちろん好き…
入口を入るとまず六十余州名所図会「阿波 鳴門の風波」がお出迎え。
ベロ藍を何度も摺り重ねた深みのあるヒロシゲブルーにいきなりくらくらさせられます。
六十余州名所図会「江戸 浅草市」では後摺の同作品も並べて展示されていました。
木版画の初摺は200枚程摺られていたそうですが、人気が高い作品はその後何度か再版を重ねていく事になります。
初摺ではまず絵師が下絵を描き、彫り師がその絵を下に墨版を作成。その墨版を絵師に渡して摺る色の細かい指示を受け、その色ごとの木版を製作。
摺り師は絵師の指示通りの色を調合し、絵師監修の元で摺っていた様です。
これが後摺になるとまず木版が摩耗したり欠けたりして墨線のシャープさが無くなっているものが多くなり、色も摺り師達が勝手に決めて摺っていたらしく。
例えば江戸百景「深川洲崎十万坪」で見てみると
初摺
吹きぼかしが見事な逸品。
画面では判りにくいのですが、鷹の羽根部分には雲母摺りも施されています。
後摺
初摺と比較するとタイトル部分の地模様の色が変わっています。しかしこれはまだ大分ましな方で
更に後の後摺
こりゃ酷い!!(苦笑)
何しろ広重作品は江戸で大人気。
江戸百景シリーズなどは1種類で1万枚程摺られた、とも言われているそうですから、とにかく手間のかかるぼかしや雲母摺りなんかやっているヒマがあったらどんどん数摺っていけ! って事だったんでしょうね。
(続く)
広重の浮世絵作品は何度か見た事がありますが、今回の原安三郎コレクションの内、「六十余州名所図会」と「名所江戸百景」は全て初摺。
しかも初摺の中でも比較的早い内に摺られたもの、ということで色彩や墨線など非常に状態が良い物ばかりでした。
(まぁ中には残念な事に一部虫喰いの跡があるものなどもありましたが)
個人的には広重は「花鳥大短冊図撰」とかが一番好きなのですが「江戸百景」ももちろん好き…
入口を入るとまず六十余州名所図会「阿波 鳴門の風波」がお出迎え。
ベロ藍を何度も摺り重ねた深みのあるヒロシゲブルーにいきなりくらくらさせられます。
六十余州名所図会「江戸 浅草市」では後摺の同作品も並べて展示されていました。
木版画の初摺は200枚程摺られていたそうですが、人気が高い作品はその後何度か再版を重ねていく事になります。
初摺ではまず絵師が下絵を描き、彫り師がその絵を下に墨版を作成。その墨版を絵師に渡して摺る色の細かい指示を受け、その色ごとの木版を製作。
摺り師は絵師の指示通りの色を調合し、絵師監修の元で摺っていた様です。
これが後摺になるとまず木版が摩耗したり欠けたりして墨線のシャープさが無くなっているものが多くなり、色も摺り師達が勝手に決めて摺っていたらしく。
例えば江戸百景「深川洲崎十万坪」で見てみると
初摺
吹きぼかしが見事な逸品。
画面では判りにくいのですが、鷹の羽根部分には雲母摺りも施されています。
後摺
初摺と比較するとタイトル部分の地模様の色が変わっています。しかしこれはまだ大分ましな方で
更に後の後摺
こりゃ酷い!!(苦笑)
何しろ広重作品は江戸で大人気。
江戸百景シリーズなどは1種類で1万枚程摺られた、とも言われているそうですから、とにかく手間のかかるぼかしや雲母摺りなんかやっているヒマがあったらどんどん数摺っていけ! って事だったんでしょうね。
(続く)
日々すり減っていく脳細胞の代わりに記録しておく備忘録的なお出掛けetc日記
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