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金曜夜にリベンジ鑑賞「大英自然史博物館展」<第2会場編> [博物館]

第2会場の様子を紹介する前に大英自然史博物館展の状況などを。

これから行かれる予定の方は金曜か土曜の夜間がのんびり見る事が出来そうなのでオススメです。
大きな展示物は少なめなので、人で混雑しているとまともに見る事が出来ません。
しかも暗い室内でノーフラッシュ状態のスマホでどうにか撮影しようとする人も多いので、なかなか先に進まないのです。
音声ガイドはクイズ形式を取り入れていたりして結構面白いかも。
だからと言って内容が子供向けという訳でもないので余裕があれば借りる事をオススメしますが、混雑している時は借りない方が良いかも知れません。
(今回はレシーバータイプの音声ガイドになっていますので聞いている時は片手しか空けられません。聞いた後にスマホ取り出して撮影する人もいるので余計に列が進まず混む原因になっているんじゃないかと[たらーっ(汗)]

展示物はフラッシュさえ使用しなければ撮影は自由ですが、動画だけは撮影禁止です。
でも動画が結構面白かったので、何処かにアップされていないのかな?と探してみたところ、元動画らしいトレーラームービーを見つけました。


どうも2014年にドキュメンタリームービーとして撮影された「Natural History Museum "ALIVE"」と言う作品からのCGムービーだったようです。


なかなか面白そうなので全編見てみたいのですが、HDで見られるサイトは登録が必要みたいで…。
画像は多少荒れていますが、ここで一応全編見る事ができるみたいですね。
NHK辺りで特集組んで放送してくれないかなぁ。


金曜17時頃に入館した時には空いていた館内ですが、入ってから15~20分ほど経つと人気の展示品の前は人垣が出来る程に混んできました。
どうも仕事が終わった人たちや、春休みに入った子供を伴った親子連れが夜間入館を狙って続々とやってきたようです。
それでも連休中の混雑に比べたら少しだけ並べば最前列で展示品をじっくり見る事が出来たので、まだ良い方かな。


第1会場を見終わって第2会場に移動します。
テラコッタライオン.jpg


続きは↓から(昆虫の写真が一部あるので苦手な方はご注意を)


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プラチナコガネ
大英14プラチナコガネ.jpg
公式サイトにあった写真を見て結構大きめな虫かと思っていたのですが、実物はだいぶ小さな甲虫でした。全長2cmくらい…?

プラチナコガネ.jpg
しかしこれが自然界の作り出したカラーだというのですから驚きです。どう見てもそこら辺の茶色いコガネムシを捕まえて白金蒸着したように見えるんですが…[たらーっ(汗)]
色素のある層の上に何層もの無色の薄膜層が重なる事により、CDと同じ様に光干渉を生じてこの様な金属光沢色に見せているのだそうです。
そう言う話を聞くと、ついつい職業柄、電子顕微鏡で覗いてみたくなってしまいます…w


サーベルタイガー
大英15サーベルタイカー.jpg
サーベルタイガーと言えば、立派な犬歯が特徴のネコ科の絶滅動物ですが

大英15サーベルタイカー2.jpg
犬歯よりこの足の骨が何だか気になってしまいました。
爪引っ込める為の骨格だと思うのですが、ネコ科の足の末節骨ってみんなこんな骨でしたっけ…?


オオナマケモノ(グロッソテリウム)
大英16オオナマケモノ.jpg
この大型の哺乳動物も1万年以上前に絶滅したナマケモノの近縁種です。
全長3~4mはあるのですが、オオナマケモノの仲間の中ではこれでも小型種らしく。
(メガテリウムという種類のオオナマケモノは全長6~8mになります)

大英16オオナマケモノ2.jpg
骨盤部分が装甲板の様…Σ(・ω・/)/
オオナマケモノは巨体のため樹には登れず、地中に穴を掘って住処にしていたのではないかと推測されているそうです(実際オオナマケモノが掘った跡が見つかっている)
おそらくこのおしりの骨が穴に潜った際に蓋の役目をして敵から身を守っていたんではないかと(現代の動物でもウォンバットが穴に潜っている時に敵に襲われるとヒップアタックで撃退しますが、おしりの骨はここまでゴツくない)

大英16オオナマケモノ3.jpg
オオナマケモノの毛皮と糞の化石と骨。
チリの洞窟で発掘された毛皮が非常に良い状態であったため、割と最近までこのオオナマケモノが今でも生きていると信じられていたとか(今でも『グロッソテリウム』で検索かけると「UMA」で引っかかってきます(;´∀`))
洞窟内の環境が乾燥した状態であったため、1万年経ってもこの様な良い状態で見つかったんだそう。
皮膚はゾウよりも厚いらしいです。


オオツノシカの頭骨
大英17オオツノシカ.jpg
色が黒っぽいのはアイルランドの泥炭地で発掘される事が多いからだそうです。
このオオツノシカも8000年前までに絶滅していますが、現代のダマシカに類似したDNAを持っていた事が最近になって判ったそうです。


バーバリーライオンの頭骨
大英18バーバリーライオン.jpg
バーバリーライオンも野生下では既に絶滅しています。
これはロンドン塔で発見された亜種バーバリーライオンの頭骨。
と言ってもロンドンにバーバリーライオンが生息していた訳ではなく、13~19世紀頃までロンドン塔で王室動物園があった名残だったりします。
バーバリーライオンの頭骨はロンドン塔の堀から2頭分発掘されているのですが(どうも死んでから堀に捨てられたもの、らしい。酷[たらーっ(汗)])放射性炭素年代測定で1頭は1280~1385年頃、もう1頭は1420~1480年頃の時期に生きていた事が判ったそうです。
このバーバリーライオンは多分後者。年代から考えるとランカスター朝の辺りでしょうか。
そう言えばイギリス行った時、ロンドン塔は行かなかったなぁ…。


ドードー
大英19ドードー.jpg
大英19ドードー2.jpg
飛べない鳥の代名詞「ドードー」
ドードーと言えばでっぷり太った体型の模型がよく作られているのですが、見せ物として飼育されていた時に肥満になってしまったドードーが一般的なドードーの絵姿として出回ってしまった可能性があるとかで。
実際のドードーはもう少しスマートだったようです。上の写真は剥製ではなく最近の鳥類骨格解剖学に基づいて再現させた模型。
下の写真も骨だけが本物で後は模型です。

ドードーの剥製は18世紀後半頃までオックスフォードの博物館に1体だけ保管されていたのですが、保管状況が良くなかったためカビと埃だらけに。
当時の職員がそれが地球上で最後のドードーの剥製と気付かず「新しいのを買えば良い」と焼却処分してしまったのです。従って地球上にドードーの剥製と言うものは存在しておらず、頭と足だけの部分的な部位しか残されていません(足も紛失したため、骨以外で現在残っている標本はオックスフォード大学博物館が所有しているミイラ化した頭だけ)
チェコのストラホフ修道院には全身をチャコールに覆われたドードーの標本があるそうですが、これは剥製と言えるのかどうか…(どっちかと言えば燻製[たらーっ(汗)]


トラ
大英20トラ.jpg
説明板には「トラ 中国」としか書かれていなかった[あせあせ(飛び散る汗)]
相当大型のトラの剥製でして(ガラス右側に写り込んでいる私と比較してみてください)尻尾の付け根部分の模様が縦方向になっているのでおそらくはアムールトラ(シベリアトラ)なんじゃないかと思うのですが、トラの亜種の分類も相当難しいので「トラ」としか書かれていないのでしょうか(;´Д`)


ラトローブ金塊
大英21ラトローブ金塊.jpg
肉眼で見える金の結晶形を持つ珍しい自然金塊。金は柔らかい金属なので、結晶形がハッキリ判る状態で見つかるのは珍しいのだそうです。
大きな結晶は1cm以上あり、金塊全体の重量は717gあります。


ピルトダウン人
大英22ピルトダウン人.jpg
猿と人類を分けた進化途中はどの様な生物であったのか。
19世紀後半頃にはドイツやフランス、ジャワなどでは猿人や旧人と呼ばれる化石が発見され始めていましたが、イギリスだけはそれを明確にさせる化石が20世紀初頭まで発掘されていませんでした。
1914年にチャールズ・ドーソンによりサセックス州のピルトダウンで発見されたこの頭骨がヒトと猿を繋ぐミッシングリンク「ピルトダウン人」として40年以上も信じられて来たのですが、実はこのピルトダウン人、上あご部分は現代人で下あご部分はオランウータンの骨を併せ、薬品処理や歯をやすりで削って作られた偽物ということが発覚します(ねつ造した犯人はドーソン単独説が濃厚)

普通なら偽物と判った時点で廃棄しそうなものですが、大英自然史博物館は贋作でもそのまま所有し続け、後世改めて再研究してみたりするのが凄いというか…。

8000万点以上の収蔵品の中にはピルトダウン人に限らず、出自が相当怪しい物、ねつ造が発覚している物なども数多くあるらしいのですが、全部ひっくるめてきちんと収蔵していて、巡回展にもネタ品として出してしまう辺りが天晴と言いますか(苦笑)


国内での巡回情報は出ていない様なので、上野での展示が終わったら他国での巡回公開になりそうです。
GW中の開館時間延長も決まった様ですし、自然史に興味がある方は見て損はない特別展かと。
去年のGWの上野は若冲フィーバーでしたが、今年は自然史博物館フィーバーになりそうですね。




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