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「アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝」@東京国立博物館 [博物館]

先週末は出張のため週末うろちょろが出来ず[たらーっ(汗)]
尤も相変わらずブログ記事書いている余裕が取れず、正月の京都旅行記すらも書き終えていない状態なので、1~2回うろちょろ休みを挟んだ位がちょうどいいのかもしれません(;´∀`)
でも今週から国立科学博物館で特別展「人体」が始まるので、今週末には何としても見に行きたいなぁ。ヴェサリウスの「ファブリカ」も出展されるということだそうですし。


で、今日は先々週末(3/2)に出掛けた「アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝」の記事などをば。
アラビア1.jpg
 (※)「アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝」は当初3/18(日)までの会期でしたが、5月13日(日)まで会期延長したそうです。





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常設展代だけで見られる展覧会、しかも写真撮影OK、ということもあって、正直「それほど凄い展示品は無いのかな」と期待はしていなかったのですが、なかなかどうして興味深い展覧会でした。

「『アラビア』と言えば?」と聞かれたら「アラビアのロレンス」とか「ラクダ」とか「フィンランドの食器ブレンド名」くらいしかイメージ涌かない上に、そもそもアラビアが何処にあるかすら判らない位の壊滅的な地理感の持ち主([たらーっ(汗)])が見に行っても、きちんと判りやすくパネル説明がされているところが素晴らしい…ヽ(・∀・)ノ
アラビア地図.jpg
ほほぅ、アラビアってこんなとこにあったのか…!(←なんせ地理感壊滅的ですから…[たらーっ(汗)]


緻密な細工が施された出土品にビックリ。
アラビア2.jpg
タールート島で出土した紀元前2500~2000年前に緑泥岩をくりぬいて作られた石製容器。
日本だと弥生時代の頃に作られた容器ですかぁ。しかし土器ならばまだ焼成前に細かい文様を付ける事が容易いんだろうけれど、石くり抜いてここまでの細工を施すとは…Σ(・ω・/)/
(泥岩は比較的柔らかくて加工しやすいとは言え、石ですからね)


タイマーで出土したネックレスやブレスレット(前1000~前400年頃)
アラビア3.jpg
貝殻や真珠母貝、紅玉髄などが使われていますが、これも非常に精密な細工が施されています。
貝はともかく、紅玉髄(カーネリアン)はそれなりに硬い石なのに、ここまで精密に丸くビーズ加工されているとはΣ(・ω・/)/
(カーネリアンはエジプトなどで貴重な石として珍重されていたそうなので、産出地のアラビアで加工したビーズなどをエジプトに輸出していた可能性も?)


これもタイマーから出土した柱の台座部分(あるいは祭壇)前5~4世紀頃
アラビア4.jpg
エジプトっぽい意匠とメソポタミアっぽい意匠が入り交じったデザイン。
確かに右の牛はハトホル神のようにも見えます。


ウラーから出土した男性像(前4~3世紀頃)
アラビア5.jpg
ダーダーン王国(現在のウラー)の王族ではないかとも考えられている像3体。結構大きなもので高さ3mほど。


ウラー出土の「ライオン浮彫」(前6~4世紀頃)
アラビア6.jpg
このライオン、たてがみあってオスっぽく見えるのですが、仔ライオンに授乳している…
(・ω・)?


ダーダーン王国も巨大なオアシス都市だったそうですが、同じくオアシス都市であったカルヤト・アルファーウからの出土品が更に素晴らしいものばかりで相当感動しました。

1世紀頃に作られたガラス製坏(つき)とガラス製鉢
アラビア7.jpg
ガラスをこれだけ成形出来る技術も凄いのですが、更に色ガラスを合わせてこの文様にする見事さ…Σ(・ω・/)/

3世紀頃に作られた青銅製のライオン形ドアノッカー
アラビア8.jpg
今でも使えそうなデザインと完成度が凄い…[exclamation×2]

十二宮を描いたフレスコ画(1~3世紀頃)
アラビア9.jpg
既に天文学があり、しかもサソリ座やいて座の様なデザインが描かれている事にもちょっと驚いたのですが、古代エジプトでは紀元前2世紀頃から天体が描かれており、現在の星座は2世紀にギリシャの天文学者プトレマイオスが古代ギリシアの星座をまとめた「プトレマイオスの48星座」に由来しているとのこと。


あとアラビア文字の美しさにもビックリ。
アラビア10.jpg
アラビア11.jpg
アラビア13.jpg
アラビア12.jpg
全て墓碑ではあるのですが、墓碑と言われなければ神殿の装飾かとも思える様な書体です。
アラビア文字は「神が線を引いて、人が点を打った」と言われるそうですが、この美しさはなるほど、納得…(*´ω`*)


1930年代まで実際に使用されていたメッカ(マッカ)のカァバ神殿の扉
アラビア14.jpg

上の方に書かれているのはやはりアラビア文字なんでしょうか。
アラビア15.jpg
手が届く距離の文字は、長年の間に巡礼者に触られて摩耗しています。
全てのイスラム教徒(ムスリム)は生涯で最低一回はメッカ巡礼(ハッジ)を義務づけられているのだそうですが、逆にイスラム教徒でなければメッカに入る事は禁止されており、実際に使用されていた神殿の扉を日本で見る事が出来る今回の展覧会はなかなか凄いんではないかと。


アラビアでの文化なども全く不勉強だったのですが、取り敢えず脳味噌に皺3本寄る程にはアラビアに詳しくなって会場を出る事ができました(;´∀`)」





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ゆりあ

同じアラビア展に行っていても、そらそらさんの細かい観察にはさすがだなって思いました。
それにしても、緑泥岩をくりぬいて作られた石製容器の細かい文様や貝殻や紅玉髄などへの精密な細工などすごい技術ですよね。
それと、墓碑や記念碑などのアラビア文字も綺麗でした。
びっくりしたのが、カァバ神殿の扉…
私はただ大きさに驚くばかりでしたが、そらそらさんは扉の上の方のアラビア文字まで気が付いてあっ視点が違うな~って思いました^^;
by ゆりあ (2018-03-12 01:49) 

そらそら

いえ、結構見た様な気になって、目や脳からすっぽ抜けてしまっているような事も多いです。
家に帰って来てから図録や目録を見返すと「…あれ??こんな展示物あったっけ…??」な事も良くあり…(;´∀`)
なので可能なところはカメラでなるべく撮影し、家で改めてチェックしながら細かいところまでじっくり見るというのがスタンスで。
カァバ神殿の扉、さぞや重たいんだろうな、と思っていたらベースになっているのは木材で、それに打出銀張と鍍金を施しているんですよね。300年分の巡礼者達の願いや喜びで摺り減ってしまった扉なんだなー、と思いながら見ていました。
by そらそら (2018-03-12 19:56) 

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