「歌仙兼定」を見に永青文庫へ

浅草で雨の中、さくっとお参り済ませた後は「永青文庫」へ向かいました。
ちょうど9日から刀剣の「歌仙兼定」が公開されていたのでついでに、と寄ったのですが、結局「大妖怪展」よりもじっくり時間とって見る羽目に…



「永青文庫」は元総理・細川護煕(もりひろ)氏が理事を務める美術館です（博物館法により登録博物館とされているのですが、Wikiや公式サイトでは『美術館』と記載されているので「美術館」としておきます）
昨年「春画展」が開かれた事で一気に知名度が上がった美術館で、実は私が初めて訪れたのも「春画展」だったりした訳ですが、菱田春草の「黒き猫」を所有している美術館ということで名前だけは知っていました。

建物自体も昭和初期の建築物らしいと聞いていて、いつかここで「黒き猫」を見たいものだと思っていたのですが、まさか初めて訪れるのが「春画展」になろうとは…( ﾟ∀ﾟ)ｱﾊﾊ


永青文庫の近くには椿山荘や関口芭蕉庵、新江戸川公園、講談社野間記念館などがあり、都内とは思えない程非常に緑が多い場所になっています。
最寄り駅は幾つかあるのですが、メトロの江戸川橋駅や早稲田駅から歩くと「胸突坂」という急坂を昇る羽目になるので、足弱さん達は一番楽なルート、目白駅前からバスの乗り目白台3丁目で降りて歩くことに。

永青文庫に着いたのは14時半近くでした。



永青文庫はもともと細川公爵家の事務所として使用されていた建物なのでそれほど広くもなく、さくっと廻れば1時間もかからず見られる筈。
が、4階に上がってみると既に歌仙を見るために20人程の行列が出来ています。殆どは女性なので多分某刀剣ゲームの影響(;´∀`)
春画展の時程ではないので並びましたが、案内の人が「並ぶ必要はないので空いているところからご覧ください」
と、またしても雉猫さんが「空いているところから先見ちゃいましょう」と列抜けてしまいました


展示室の真ん中に歌仙兼定が飾られていてそこで列が停滞しているのですが、その先の刀剣や拵の展示はガラ空き状態。
歌仙手前まで逆走して見ましたが、流石にまた人の頭越しで見るのはイヤですよ　大体頭越しにも見れない程、人みっちり並んでいますし。

雉猫さん「じゃ、また並びますか」

…うん、それなら最初から並んで見ておけば良かったんじゃないのかな　並んでいる間に列もそれほど短くなってもいなかったし。
雉猫さんが何をしたかったのかさっぱり判りません


「歌仙兼定」は細川当主2代目の忠興(ただおき)の愛刀で、名前の由来は3代目忠利の側近36人をこの刀で成敗したことにより、三十六歌仙になぞらえて付けられたとされています（が、史実としての記録はないようです）
代々細川家に伝えられていたそうですが、5代目綱利の時代に家老「柏原定常」に下賜され、その後大正時代になって16代当主護立(もりたつ)氏が細川家に縁があるこの剣を買い直したそうです。
この細川護立氏という方が刀剣に大して非常に目利きだったようで、収集した刀剣のうち四口が国宝になっています。
今回は歌仙の他に「刀 金象嵌名　光忠 光徳(花押)　生駒讃岐守所持」と「太刀 名　豊後国行平」も出品されていました。

刀身だけではなく拵えも多く展示されており、鮫の革を黒漆で磨いて細かい霰模様を出した「歌仙拵」の鞘や、細川家の家紋「九曜紋」と裏家紋「桜紋」を交互に透かし彫りで施した「櫻九曜紋透鐔」、三所物（小柄、目貫、笄）の展示などがずらりと展示されていて眼福でした。
（歌仙までの刀剣作品までは混雑していましたが、後は空いていたのでじっくり見る事が出来ました）


春画展の時は別館を「ミュージアムショップ」として開放していましたが、今回は図録だけの販売で入口で買う事が出来ます。
図録(1500円)を買おうか悩んだのですが、永青文庫で出版している季刊誌(300円)の方がエッセイなど読み応えありそうだったので、バックナンバー含めて購入。
外に出るともう16時過ぎていて入口も閉鎖されていました（入館は16時まで。見学は16時半まで）



近くの新江戸川公園では今回の歌仙兼定公開と併せて、某刀剣育成ゲーム中のキャラクター「歌仙兼定」のパネル展示がされている様ですが、流石にそこまではチェック入れていなかったのでスルーして帰って来ました。
パネル展示はどうでも良いのですが、展示が行われている松聲閣(しょうせいかく)は一度見てみたいので、何れ時期を見て行こうかと思っています。



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タグ：永青文庫 レトロ建築 特別展 刀剣